【H×H】マドンナリリーの花を君に贈る。２ (ページ7)

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「A！！」

「久しぶり、圧巻の戦いだったねゴン。」

私の姿を見てパッと表情を輝かせ駆け寄ってきたのは、先程試合に勝利を収めてきたゴンだ。

その後ろからは満足げな表情でキルアが歩いてくる。

キルアの脅しは成功したのだろう。

彼らは不戦勝を含めそれぞれ勝ち星を3つずつ挙げており、念の力も使い熟し始めている。

まだまだヒソカやイル兄には遠く及ばないが、やっとスタート地点には並んだことだろう。

「キルアを見に来たの？」

「うん。でもゴンの試合も見たよ。強くなったね。」

「えへへ、でしょ！俺もキルアも修行頑張ってるんだよ！」

ニコニコと満面の笑みを浮かべたゴンと落ち着いた笑みを浮かべたキルアの頭を同時に撫でる。

ふと、こちらに近づいてくるウイングさんの姿が目に入ったので、さりげなく目配せをした。

心得たとばかりに頷いた彼が、にこやかに声をかける。

「ゴンくん、キルアくん。」

「「ウイングさん！」」

振り返った2人を追うようにしてウイングさんを見て、軽く会釈をする。

それから、少しだけ身を見開いてから意味ありげに微笑んでみせた。

「どうも、貴方がこの子達に念を教えた方ですね。」

「おや…貴方も相当な使い手ですね。」

「ウイングさん！Aはキルアのお兄ちゃんなんだよ！」

「そ、俺の兄貴の1人。結構強いよ。」

2人の様子を見るに、上手く初対面を装えたようだ。

安心しつつ、友好的に右手を差し出した。

「ほう。キルアくんのお兄さんでしたか。私はウイングと申します。」

「ウイングさん、ですね。キルアの兄のAです。この度は、弟と友人がお世話になったようで。」

「いえいえ。2人とも伸び代もあって成長も早い、素晴らしい逸材です。」

軽く握手を交わして、社交辞令を投げかけ2人のお礼はしっかりと言った。

緩く会話をしていれば、ふと時間が迫っていることに気づく。

「キルア、ゴン、私家に戻るからまた暫くお別れだ。」

「え、A兄家戻んの？俺の監視とかでついてこねぇの？」

「私もそうだと楽しそうで良いんだけど…お仕事だからね。」

残念がってくれた2人に謝って、また会おうと約束して別れた。

その足で向かうのはヒソカの部屋だ。

結局、キルアと会った日はヒソカに会わなかったので、未だにグローブを預けたままだった。

…1ヶ月近くこの辺で過ごしちゃったな。