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嫌に上機嫌なヒソカからグローブを受け取ってゾルディック家から送られてきた飛行船に乗り込む。

どうやら、この後ゴンとの試合を約束したらしい。

本来なら、ヒソカのセーフティも兼ねて試合観戦をしたかった。

しかし、キルアには仕事としか言わなかったが、仕事は仕事でもイル兄から呼び出されたのでイル兄の代行の可能性が高い。遅れるわけにはいかなかった。


…遊び過ぎないように釘は刺しといたし、最悪大怪我で済めば良いけど。


「イル兄、おかえり。」

「ただいまA。察してるとは思うけど、今回は俺の依頼を手伝ってもらうよ。」

「いいよー、あ、ついでにキルアの定期報告もするね。」

「任務は後でいいからキルの報告先にして。」


イル兄よりも家には早く着いていた。

なので父様にはすでに報告は済んでいるし、アルカ達にも挨拶はしてきた。


「とりあえず任務先に行きながら話すよ。前の任務の報告、父様にして来なくていいの?」

「…10分で戻ってくるから用意しといて。あ、もちろん女装しないでね。」

「はは、女装は基本しないよ。この間のは特別。」


まあ、本当は週の3割くらいは女装して過ごしているのだが。

イル兄に女装を見られたのは、ハンター試験が初めてだったので信じてくれるだろう。


有言実行と言わんばかりにイル兄は10分も掛からずに戻ってきた。

2人で飛行船に乗り込んで、キルアの話しをする。


念を覚えたというところでは少しばかり不満げな空気を醸し出してはいたが、念能力者との試合に鮮やかな勝利をしたと聞いて機嫌は直った。

イル兄が、キルアの念を覚えるのを嫌うのは、訳がある。

キルアの頭に刺しこんだ、イル兄特製の念を込めた『針』を見破られる可能性が高くなるからだ。


この針は父様の許可を得たイル兄が、『実力差のある相手から逃げるように』という意思を始め、『イル兄には従順であるように』等の歪んだ思考を植え付ける目的で刺したものだ。

しかし、後者はイル兄の独断である可能性が高いと私は見ている。


恐らく、父様はキルアがキルアであるままゾルディック家随一の殺し屋になる事を期待している。

それに対して、イル兄はキルアを支配してキルアの意思のない人形としてゾルディック家の役に立てようとしている。

キルアに対する父様の期待とイル兄の支配、それからアルカの存在でゾルディック家は今現在混沌と化していた。

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ゆーな(プロフ) - キルアの甘えたな所とヒソカが何だかんだ優しくて可愛い過ぎる!このお話面白くてハマりました! (2022年1月15日 15時) (レス) id: 83b0960623 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:甘夏蜜柑 | 作成日時:2021年10月2日 2時

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