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「ねえそれ、私も着いていっていいかな?」


にこやかに言った私に、視線が集まる。


「私、興味があるんだよね、団長さんを捕まえた『鎖野郎』に。」


今現在、パクノダが1人でキルアとゴンを連れて『鎖野郎』の元へ行くことが決まった。

何やら旅団内で揉めていたけれど、そこは私は部外者なのでノータッチだ。

だが、キルアとゴンがここを移動するなら話は別。

団長さんの元に今のキルアとゴンが向かうのであれば、少しでも彼らに危険が及ぶ可能性があるのならば私が動くしかない。


そもそも、私は『鎖野郎』の正体を知らない。

キルアとゴンにとって、本当に仲間であるか判断が付かないのだ。


「…鎖野郎が許すかね。」


旅団内での口論で完全に不貞腐れたフィンクスが、私に向かってシャルナークの携帯を投げる。

どうやら、自分で交渉しろとのことらしい。


「どうも、『鎖野郎』殿。」

『…貴様は誰だ。』

「A=ゾルディック。単刀直入に言うけれど、この取引私の同行も許可してくれないだろうか。」


息を呑む音が聞こえる。恐らく私のことを知っている反応。

私は素早く携帯のメモ機能を呼び起こしてザッと目を通す。

声も聞き覚えがある…気がする。そして彼は旅団に強い恨みを持つ者。


ぴた、とスクロールしていた指が止まる。

『クラピカ』と言う名前の下の写真には金色の髪に鷲色の目、整った顔立ちが写っている。

キルアとゴンの友達で旅団に強い恨みを持ち、緋の目という物を探していると、記載があった。


『…理由は。』

「純粋な君への興味。私は旅団とは関係ない身でね、君と対立する気は無い。」

『それを証明できないだろう。』

「…そうだな。人質の少年どちらかに常に命を預けてもいいよ。」


そう言ってから、キルアを片腕で抱き上げる。


「白い髪の子を今抱き上げてる。首でも心臓でも、好きな方に手を添えさせていい。なんだったら念も常に『絶』にしよう。」

『…心臓だ。念も断て。』

「…わかった。コイツ、ちゃんと『絶』してるぜ。」


キルアがクラピカと電話をしている間に、背後で一本の指を立てて念を流す。

映し出した念字は『後で連絡する』だ。

ちょうどマチが背後にいるし、旅団の人間は念を見る『凝』を怠らない。

2秒ほどで手を下ろし、じゃあ行こうかとパクノダに話しかけた。


チラリとマチを見れば、微かに頷いたので恐らく伝わっているとみていいだろう。

旅団を現在敵に回す訳にはいかないのだ。

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ゆーな(プロフ) - キルアの甘えたな所とヒソカが何だかんだ優しくて可愛い過ぎる!このお話面白くてハマりました! (2022年1月15日 15時) (レス) id: 83b0960623 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:甘夏蜜柑 | 作成日時:2021年10月2日 2時

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