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「で、そこの少年2人は私のことを知ってるのかな?」

「えっ、」


ペキパキと固まった首を動かしながら立ち上がって、拘束されているキルアとゴンに向けて笑う。

素直なゴンが声を上げたが、キルアは片眉を少し動かしただけで平然としていた。

ヒソカ、もといイル兄は意味ありげな視線を向けてきたが、イル兄にヒソカにはあまり関わらないと言った手前、なんの反応もしない。


「…なに、知り合いなの?」


マチの声に一気に警戒度を上げる旅団の彼ら。

そんな彼らを気にかけることなく、鎖で拘束されている彼らの前にしゃがみ込む。

それからジッと2人の目を見つめてから、首を捻った。


「ダメだな、覚えてないなぁ…でも、さっき私を見て一瞬驚いたよね?」

「…そうだたね、コイツ人覚えてられないよ。警戒するだけ無駄だた…。」


そう言ってため息を深く吐いたのはフェイタンだった。

一気に弛緩する空気を感じながら、心の中で安堵する。

ここにパクノダがいなくてよかった。

ゴンやキルアの記憶から私のことを拾われると厄介だったから。


「何、アンタ覚えてないの?」

「悪いね少年。私、どうでもいい奴のこと覚えていられないんだ。」

「っ、……ハンター試験。アンタ今年のハンター試験で合格してただろ。俺たちも試験受けてた。」


一瞬、キルアの青い瞳が揺れる。

私のどうでもいいという言葉で、動揺させてしまったらしい。


「へえ、Aもハンター試験受けたんだ。」

「も、って言うことはシャルナークも?受けなくてもよかったんだけど、お願いされちゃったから仕方なく受けたんだよねー。」


ジトッとした視線をヒソカに扮したイル兄に向ければ、ヒソカらしい笑みが返された。

わざとらしくため息を吐いてから、もう一度キルアとゴンを見つめる。


「…ダメだ。やっぱり覚えてないや、ごめんね少年たち。」


軽く笑って謝りながら、彼らの頭を適当に見えるように撫でる。

どうか、安心して欲しいという願いを込めながら。


「Aは子どもが好きなの?」

「好きだよ。シズクは可愛いと思わない?」

「だってその黒髪の子、左手だったけど私に腕相撲勝ったよ?利き手のノブナガにも勝ってた。」

「うわ、それはびっくり。」


内心本当に驚きながら団員と談笑を続ける。

もう、少年たちの事など忘れてしまったとでも言うように。


しばらくして、交渉からパクノダが帰ってきた。

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ゆーな(プロフ) - キルアの甘えたな所とヒソカが何だかんだ優しくて可愛い過ぎる!このお話面白くてハマりました! (2022年1月15日 15時) (レス) id: 83b0960623 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:甘夏蜜柑 | 作成日時:2021年10月2日 2時

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