よんじゅういち ページ1
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「…随分と強気に出たな」
根津さん達が部屋を出た後、相澤さんはそう言った。
どこか驚いているようで、こちらを探るような声音だった。
「…私は、なにも知りません。相澤さんのことも、根津さんのことも、雄英のことも…ヒーローのことも」
「ああ」
「知らなくていいと思っていたし、一生知らないまま…死穢八斎戒の中で死んでいくのだと思っていました…壊理ちゃんとともに」
腿の上に置いていた手を、強く握る。
そして、深く息を吐いて閉じていた瞼を押し開けた。
「けれど、壊理ちゃんはもう救われた。きっと彼女はこれから色々なものを見て、色々なものを感じて、色々なものを知って、あっという間に成長するでしょう」
いつか、私の手を必要としない日が来る。
無個性である私を遠ざける日が来る。
きっと、死穢八斎戒にいた私を嫌う日が来る。
「その、束の間だけでも…私が、彼女を守りたいんです。壊理ちゃんは痛みがわかる子で、だから余計に傷つきやすいし、傷つくことに慣れてしまっている…だから、その痛みを出来るだけ無くしてあげたい。そのために、私はいつまでも無知なままではいられないんです」
「…そうか」
一瞬、目を伏せた相澤さんはゆっくりと席から立ち上がる。
私も、それに続いて会議室から出た。
目の前を行く彼には気づかれないように、一度深呼吸をする。
相変わらず、死穢八斎戒のテリトリーを出た私は孤独感や恐怖に見舞われている。
食事もロクに取れないし、人と接する時には悲鳴を堪えたり、身体を震わせたりしてしまう。
それでも、私は壊理ちゃんを守りたい。
やっと笑えるようになった。
やっと身体の傷が癒えた。
やっと、やっと、やっと。
…治崎さんの手から、逃れることができた壊理ちゃん。
「どうかしたか」
「…いえ、なんでもありません」
あの人は、檻の中。
救ってくれたあの人に。
手を引っ張ってくれたあの人に。
私の《＊＊＊＊》であるあの人に。
治崎さんに、きっともう会えない。
治崎さんに、私が出来ることは何もない。
でも、壊理ちゃんはまだ私を必要としてくれているから。
だから、壊理ちゃん、私はあなたを守るよ。
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茉梨花 - 前回から涙がボロボロ出ました！とっても面白くて大好きです！無理せず更新頑張ってください！！ (2021年7月18日 2時) (
レス) id: 0cc7782993 (このIDを非表示/違反報告)
七夏(プロフ) - 面白いです!続きを楽しみに待ってます! (2021年2月3日 18時) (レス) id: 716685a2fc (このIDを非表示/違反報告)
ゆいな(プロフ) - もうほんとに！！！すきです！！！！！！！続き気になるなぁ…。。えりちゃん可愛いし、これから夢主ちゃんも雄英に慣れてくのか、、どうなるのか展開がすごく気になります。。夢主ちゃんの両親も辛いし過去がほんとにつらすぎる (2020年12月23日 20時) (レス) id: ec54d11116 (このIDを非表示/違反報告)
らい太郎(プロフ) - 最初から読んできました！好きすぎてもう、なんか、やばかったです(語彙力)続き楽しみにしてます！頑張ってください！ (2020年6月21日 2時) (レス) id: 61d99012e6 (このIDを非表示/違反報告)
たまごやき - お話が私の好みドンピシャすぎてビビりました…。ほのかに闇がある感じの夢主ちゃんが可愛くて好きです。エリちゃんとの共依存(？)がまた性癖に刺さりました…これからの展開が気になります、更新頑張ってください応援してます！ (2020年2月2日 1時) (レス) id: 7f42fd7b15 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：甘夏蜜柑
| 作成日時：2020年1月9日 22時
