【刀剣乱舞】かの瞳は雄弁に語る。 (ページ14)

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十四柱ページ14

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「…偏見云々言うわけではないけど、男だよね？」

「ええ。刀剣男士は皆、それなりに整った容姿をしておりますので…」

私の言葉に重々しく肯定が返ってくる。

刀剣男士の中には、女顔負けの愛らしい方もいらっしゃるらしい。

特に、短刀の種類の方々にそういう容姿を持った方が多いそうで、被害が甚大らしい。

さらに、またしても兄弟だったり絆の強い方の前で能力を使って押さえつけて無理矢理見せつける様にことに及んでいたのだとか。

「それは今、」

「死んでおります。刀剣男士の手によって…」

「…そう」

ふー、と感情を逃す様に長く息を吐き出す。

久しぶりに、表情を動かしそうになる程胸糞の悪い話だった。

「審神者様は、あまり表情を変えられないのですね」

「…変えない様にしているからね」

少し訝しげな視線を受けて、より一層表情を引き締める。

私は、表情を動かしてはならない理由がある。

…例え、盛大に顔を歪めてしまいたいと思っても。

「…こんのすけはそんなに内情を知っているというのに政府に助けを求めなかったの？」

2人目の審神者の場合は、まだわかる。

いくらリークしようと上にもみ消されてしまっていたのだから。

しかし、それ以降はリークすればもっと早くに神様方は助かったのでは。

そんな疑問を口に出せば、こんのすけは少しためらった後にポツリと呟いた。

「…実は、私めはもう5匹目なのでございます」

「5匹目…？」

聞けば、こんのすけという式神は、一枚の札を使ってこの世に身を表しているらしい。

彼の体はロボット…つまり、機械でできている。

それに、札を媒介として魂だとか、霊体だとかいう精神的な何かを定着させているという。

目の前にいるこの姿は『仮』の姿であり、本体は別にいるそうだ。

…刀剣男士の、本霊と分霊みたいなものだって柏木さんはいってたけど。

「この屋敷には、4匹のこんのすけの亡骸が転がっているはずです。…原型を留めていればですが」

「さらっと怖いことをいうなあ…」

「放置されていても腐ったりはしないのでご安心ください」

そっちの心配をしたわけじゃないんだけど。

こんのすけのその言葉とともに、長い時間をかけた大掃除は終結した。

今までの話の所為で少し心に影が差したが、それを出すわけでもなくゆっくりと立ち上がる。

使った用具を片付けたところで身体中が埃だらけなことに気づいた。