【刀剣乱舞】かの瞳は雄弁に語る。 (ページ13)

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十三柱ページ13

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「行燈(あんどん)か、古風だね」

「はい。とはいえ昔に使っていたものをそのまま使っているわけではなく、大分改良されていますので明るさには申し分無いかと」

「嫌いじゃないよ…火の光は」

オレンジ色の光が部屋を照らす。

時折火が揺れ部屋も眩むが、風情があるとも言えるだろう。

蛾が寄って来てしまうかと思ったが、害虫は寄ってこないとこんのすけから聞いたので障子は開けたままだ。

「…さて再開しよう」

あと二部屋分の畳を拭けば掃除は終わりだ。

真っ黒になってしまった雑巾を捨てて新しいものを持つ。

ちなみに、バケツもプラスチック製ではなく木製の桶を代用している。

4人目のことを話してくれと言ってから、また膝をついて畳を拭い始めた。

4人目の審神者も、3人目の審神者と同じ男性。

もうその時点で軽い人間不信に陥っていた刀剣男士様方は、その審神者を追い出そうとしたらしい。

しかし、彼は言霊も結界も…そして、呪術も使える刀剣男士様方にとって最悪な人間だったという。

「…呪術？」

「はい。呪術は簡単に言えば催眠術の様なものができ、刀剣男士を意のままに操ることができてしまうのです。勿論、他の呪術も多くありますが」

「さっき言っていた“言霊”とは何が違うの？」

さっき言っていた言霊でも、刀剣男士を意のままに操って戦わせていた筈だ。

…嫌がる彼らを、無理やりに。

「簡単に申し上げますと言霊は身体を操るものであり、呪術は精神を操るものです」

「…なるほど、ね」

「あとは、この離れを囲っている遮蔽結界も呪術の一つですね」

「呪術は精神的なものだけじゃなくて、物理的なものでもあるんだ…」

こんのすけによると、言霊は審神者にしか使えないものらしい。

付喪神を纏め、率いる立場であるからこそ使える言霊。

対して、呪術は素質さえあれば誰にでも利用できるそうだ。

…そして、誰に対しても。

ただ、難易度が高くなっていくにつれて伴うリスクが大きくなっていくのだとか。

「4人目の審神者が得意とするのは、精神に干渉するものでございました」

酷く下衆じみた考えをしていたという四人目。

呪術を使えるのをいいことに、刀剣男士を操り行った悪辣な行為。

奇襲を掛ける、毒を盛る、性的な意味で襲わせたこともあるのだとか。

その男はそういう趣味を持っていたらしく、自身も言霊を使って刀剣男士を意のままに貪ったのだそう…。