オールマイト、イレイザー・ヘッド、プレゼント・マイク3 ページ16
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「Aちゃん、相澤くんの言う事が正しいとして。もし、彼らもキミの事が好きだとしたら?」
「…ぇ…?」
「…コレ、覚えはないかい?」
バサリと音を立てて机の上に投げられたのは、写真の数々。
日常の私が映っている事は、今日送りつけられてきた封筒の中に大量に入っていたものと似ている。
ただ、それは…私が高校生の頃の______!
「な、ぁ、ぇ…?」
「どこから出てきたと思う?相澤くんの部屋だよ。マイクの部屋にも同じものがあったなぁ」
「あ、相澤…?山田…?ど、いうこと…、」
恐る恐る視線を彼らに移した時、二つの舌打ちが聞こえた。
「シヴィーぜ、この状況!想定してなかったよなぁ、ショータ!」
「…ああ、全くだ、ここまでオールマイトさんがAに嵌るとはな。コイツの体質も、ここまでくると個性みたいなもんだ」
やれやれ、なんて態度をとる二人の言葉の中に、否定する意味の語は一つも入っていない。
八木さんの言葉を全て肯定しているのだと理解した瞬間、ガクリと力が抜けて尻餅をついた。
「で、ここまで暴露しておいてハイサヨナラって訳にもいかねーよー?」
「ふふ、ここはひとつ、私もキミ達の仲間に入れてくれないかな?」
「…合理的だが、納得はしかねるな」
頭上で交わされる会話に、音を立てずに立ち上がらぬまま後ずさった。
八木さんが、二人に耳打ちをする。
今だ、と玄関に向けて走ろうとしたが右腕に何かがキツく巻きつく感触が襲う。
「一時休戦って事で仲良くやろーぜ!」
「よろしくね、二人とも」
「…ま、しょうがないか」
3人は一様に私を見て、柔らかく微笑んだ。
背筋が凍り、体が反射的に縮こまるが、その意に反して右腕はギリギリと引っ張られていく。
「…っ、やだ、」
「やだ、だって可愛いな、Aちゃんは」
「ダイジョーブだって!俺たちが一度だってAに痛い事したことあったかよ!」
「…お前ら、親父臭いぞ」
右手を相澤に、左手を山田に絡め取られる。
ついに涙腺は決壊し、ボロボロと頰を涙が伝った。
それを拭うように頰に手を当てたのは、八木さん。
「泣かなくたっていいんだよ。怖いことなんて何もないんだから。大丈夫、Aちゃんはただ私たちに愛されていればいいんだよ」
「愛してたんだぜ?ずっとな」
「…これからも、な」
どろりと瞳の奥が溶ける。
私はこの瞳に見覚えがあった。
_____私に好意を向ける人の瞳、だ。
爆豪 勝己@独占型→←オールマイト、イレイザー・ヘッド、プレゼント・マイク2
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零桜 - B組の鱗くんの無害(依存型)が見てみたいです!できれば中国語も少し入れてくれませんか、、、? (8月3日 13時) (レス) @page22 id: 181796d377 (このIDを非表示/違反報告)
ワァ! - オリジン組の人達の奴(個人の奴も)が見てみたいデス! (2021年4月28日 6時) (レス) id: 2c479952a6 (このIDを非表示/違反報告)
闇空 - (笑うところ)ってところで本当にわらったらマイパピーからメッチャ心配されましたwwww (2020年4月1日 19時) (レス) id: b30251e94a (このIDを非表示/違反報告)
黄(コウ)(プロフ) - ねじれさんがあることに感動してしまって涙が出てきました。ねじれさんの作品だとかとっても少ないし、こうして短編集でねじれさんが出てくることがあんまりないきがして…。最高でした! (2019年12月30日 13時) (レス) id: 535205595b (このIDを非表示/違反報告)
BT21 - リクエストでオバホールで調教見てみたいです本当にできたらでいいんでお願いします (2019年5月10日 19時) (レス) id: e3d4fbe2de (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:甘夏蜜柑 | 作成日時:2018年9月19日 16時