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「もう、銃は終わり…っ？」
「姫の、方こそ！足、増強しないのっ…！」
煽るような言葉に、こちらもそれを返す。
共に疲弊していることは明らかだ。
来ていた白いTシャツは土煙と血でまだらな模様になっているし、視界を血が覆う度に拭っていたので手も腕も真っ赤だ。
姫も、黒い服なので目立ってはいないが、動く度にポタポタと血が滴るので結構な怪我を負っていることだろう。
…頭痛も吐き気もひどい。
たぶん、もう、限界だった。
「…なんで…！」
限界を感じ、内心焦っていた時だった。
姫が私に向かってそう叫ぶ。
今までの余裕が崩れ去って、悲痛な表情を浮かべていた。
「なんでなの…っ！なんでわかってくれないの！」
そう叫んだ彼は、膝をつく。
限界を迎えてしまったのだろう。
「…好きなんだよぉ、Aちゃん…すきなの」
か細い声が響く。
それが昔、私が手を伸ばす前の彼女の姿に酷く似ていて、息がつまる。
胸が苦しくなって、耐えきれずに口を開こうとした時だった。
『SMASH！！』
そんな声とともに、とてつもない暴風が巻き起こる。
周りの建物全てが倒壊し、体が浮き上がった。
…やばい、交換できる私はともかく姫は…！
内臓が浮き上がるような感覚に青ざめる。
数メートル飛ばされるどころか宙に舞う体を感じながら、目だけで姫の姿を探す。
見つかった、と思った瞬間に血の気が下がった。
倒壊した建物の鉄の棒がむき出しになっている場所へ、真っ直ぐと姫の身体が落ちていっている。
体の状態を考えて、姫の体を貫通したなら…。
…確実に、死ぬ。
「姫…ッ、手を、」
きょとんと目を丸くした彼女はきっと、自分の状況をわかっていないのだろう。
焦りが脳内を占めた時、追い討ちのようにダラリと頭から血が流れて視界を塞ぎ、土煙が目を襲う。
私の個性は、視界に入るか体で触れたものしか交換できない。
伸ばした指先に温かい感触が重なる。
…なら、
ドンッと身体に今までに経験したことないほどの衝撃が走る。
それとともに、体をさらう風が止んだ。
きっと、オールマイトの方も決着がついたのだろう。
「…ぇ…？」
砂と血で滲んでいた瞳が徐々に開く。
呆然としたその姫の表情に、昔の彼女を思い出してかすかに笑う。
視界の端に映ったのは、腹部から生える鉄の棒。
「あ、ぁああ…ぃ、いやぁあぁああああ＿＿＿＿‼‼」
姫の叫び声を聞きながら、私は意識を落とした。
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ヒヨコ(プロフ) - こんにちは、とても大好きです。← ただ１つだけ。84の戦闘シーン、exchangeではなくreplaceの場所がないでしょうか？replaceが置き換えだと認識してるので、ちょっと違うかも？となりました！更新楽しみにしてます！ (2018年10月1日 15時) (
レス) id: 1a5754497d (このIDを非表示/違反報告)
あっぷる。 - No,2ヒーローがベストジーニストになってませんか？気のせいならすみません。 (2018年9月17日 16時) (レス) id: b076da837c (このIDを非表示/違反報告)
碧 - うわあああ好きです！！夢主ちゃん頑張れー！ (2018年9月9日 11時) (レス) id: 1914631717 (このIDを非表示/違反報告)
たまごぼーろ。(プロフ) - いけいけ夢主ちゃん！姫をぶん殴れ！！ (2018年9月7日 10時) (レス) id: acb2629ba7 (このIDを非表示/違反報告)
あっぷる。 - いけいけかっちゃん！夢主をおとせ！← (2018年8月23日 22時) (レス) id: b076da837c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：甘夏蜜柑
| 作成日時：2018年7月11日 21時
