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「この世界はやっぱりシンプルな増強系の個性が強いと思うんだ」
立ち昇る土煙の合間から見える青い瞳。
光沢を放つ金色の髪は、少し煤けていた。
「だって、主人公の力がそうだから」
ニッコリと笑うその姿に、たらりと冷や汗が伝う。
「Aちゃん、私やっぱり無理だよ」
「…なにが？」
「だから。絶対に、手に入れる」
その言葉とともにまるで瞬間移動でもするかのように私の背後に現れた姫。
殴られると腕をクロスして受け止めたが、勢いは殺せず中に浮く。
また彼の姿がブレ、背後に現れるのだろうと考える。
フッと背後の気配を感じた瞬間、爆豪くんに触れようとしていたシルクハットのヴィランと位置を交換する。
「ぅがっ…！」
「あ、ごめんね。でも急に出てきたコンプレスが悪いよね？」
悪びれない姫を視界にいれながらこの場を一度離れようとした時、破壊音が響く。
視線を向ければ、先ほどの壁だったものを突き破り切島くんを先頭とした緑谷くんと飯田くんが宙を横断していた。
「来い！！」
切島くんの声に、差し出された手のひらに、爆豪くんが口角を上げた。
それから私の腕を掴む。
一緒に逃げるつもりなんだろう、けど、
「…A、ちゃん…！」
…ごめん。
姫の叫び声を聞き、そう心で謝ってから持っていた拳銃を真っ直ぐと切島くんに向けた。
パン、と乾いた音を聞いた瞬間に腕を掴んでいた爆豪くんを入れ替える。
「Aさん…っ！」
目を見開いた四人に解放された方の手を振った…今できる限りの満面の笑みを浮かべて。
…もう片方の手は、今にも潰されそうな力で掴まれていたのでどうあがいても私は逃れることができなかっただろうと予想を立てた上での行動だ。
「、逃がさない…ぜったい…！」
「ッA！テメェ…！」
「行って！大丈夫だから！」
今にもこちらに戻ってきそうな爆豪くんに怒鳴り返す。
そして姫に腕を掴まれていることをいいことに、姫を入れ替える。
爆豪くんたちを追おうと大砲のように空へ飛んだコンプレスと呼ばれたシルクハットと。
…身体増強って言ってたから壁もない宙じゃアイツは加速できない。
それに、アイツは爆豪くんが逃げようがどうでもいいはず…私がこの場に残っているから。
この場に留まったのは、自己犠牲などではなく不可能だったからだ。
…私は、きっとこの場を逃げることは叶わない。
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ヒヨコ(プロフ) - こんにちは、とても大好きです。← ただ１つだけ。84の戦闘シーン、exchangeではなくreplaceの場所がないでしょうか？replaceが置き換えだと認識してるので、ちょっと違うかも？となりました！更新楽しみにしてます！ (2018年10月1日 15時) (
レス) id: 1a5754497d (このIDを非表示/違反報告)
あっぷる。 - No,2ヒーローがベストジーニストになってませんか？気のせいならすみません。 (2018年9月17日 16時) (レス) id: b076da837c (このIDを非表示/違反報告)
碧 - うわあああ好きです！！夢主ちゃん頑張れー！ (2018年9月9日 11時) (レス) id: 1914631717 (このIDを非表示/違反報告)
たまごぼーろ。(プロフ) - いけいけ夢主ちゃん！姫をぶん殴れ！！ (2018年9月7日 10時) (レス) id: acb2629ba7 (このIDを非表示/違反報告)
あっぷる。 - いけいけかっちゃん！夢主をおとせ！← (2018年8月23日 22時) (レス) id: b076da837c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：甘夏蜜柑
| 作成日時：2018年7月11日 21時
