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「…は?」
ピキッと目の前の男の表情が固まる。
「俺が死ぬだぁ?他のクソモブ共がどうだか知らねぇがふざけた事言ってんじゃねぇぞこのエセヴィラン野郎」
「…流石爆豪 勝己だね。口の悪さは一級品だ」
「自惚れてんじゃねぇぞ依怙贔屓女。テメェ如きが俺を殺せると思うな」
爆豪くんは、ヴィラン顔負けの悪どい笑みを浮かべる。
「…依怙贔屓女じゃないって、何度言ったらわかるかな」
「直して欲しけりゃいつまでも裏でコソコソやってんじゃねぇよ」
「…ちょっと、私のAちゃんと二人で話さないでよ!」
「ギャアギャアうっせぇんだよ女男が!男なら私なんて言ってんじゃねぇぞキメェんだよクソが!」
椅子に拘束されながらも、一切ひるむ様子を見せない爆豪くん。
容赦ない罵倒に、姫の余裕が切り崩される。
「ヒーローになりてぇ奴が、クラスの人間の一人や二人守れねぇでどうやってヒーローになんだ!テメェもさっさとそのお花畑な脳みそ切り替えろクソモブ女ァ!」
「く、クソモブ女…」
「ああ”!?なんか文句あんならここでた後にしやがれ!打ち明ける打ち明けねぇ、話す話さねぇもその後だ!わかったか!」
言葉は酷い。
きっと今までで一番酷い。
…でも、馬鹿みたいに優しくてあったかい。
冷えていた心臓が、急に暖かくなる。
狭くなっていた思考が、一気に晴れる。
もしかしたら、信じてもらえないかもしれない。
そんなこと有り得るわけないと一蹴されて終わりかもしれない。
明日の今頃には、もう忘れ去られて居るかもしれない。
…でも、それでもいい。
私は、ヒーロー科にいる。
だから、ヒーローになるんだ。
救わないといけない。
昔に失敗した分を、今ならきっと取り戻せる。
ヒーローなんて職業があるこの世界なら。
私のせいで歪んでしまった、『彼女』を取り戻せるかもしれない。
いや、取り戻さないといけないんだ。
私は過去に過ちをおかした。
いま、それを挽回できるチャンスがある。
そして行くんだ。
________
「ねぇ、姫」
私は、にっこりと笑って右手を固く握る。
そして目の前の彼に話しかけた。
「なに、Aちゃん?」
「私ずっとアンタに会ったらやろうと思ってたことがあって…」
トンと軽く彼の肩を押して立ち上がり、拳を翳す。
「歯ぁ、食い縛れ?」
そして、頰を目掛けて思いっきり振り下ろした。
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ヒヨコ(プロフ) - こんにちは、とても大好きです。← ただ1つだけ。84の戦闘シーン、exchangeではなくreplaceの場所がないでしょうか?replaceが置き換えだと認識してるので、ちょっと違うかも?となりました!更新楽しみにしてます! (2018年10月1日 15時) (レス) id: 1a5754497d (このIDを非表示/違反報告)
あっぷる。 - No,2ヒーローがベストジーニストになってませんか?気のせいならすみません。 (2018年9月17日 16時) (レス) id: b076da837c (このIDを非表示/違反報告)
碧 - うわあああ好きです!!夢主ちゃん頑張れー! (2018年9月9日 11時) (レス) id: 1914631717 (このIDを非表示/違反報告)
たまごぼーろ。(プロフ) - いけいけ夢主ちゃん!姫をぶん殴れ!! (2018年9月7日 10時) (レス) id: acb2629ba7 (このIDを非表示/違反報告)
あっぷる。 - いけいけかっちゃん!夢主をおとせ!← (2018年8月23日 22時) (レス) id: b076da837c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:甘夏蜜柑 | 作成日時:2018年7月11日 21時