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黒い霧が晴れる。
目の前に広がった光景に、気づかれないように眉を寄せた。
「て、めぇッ…！」
…8人、か。
しかも脳無はいつでも取り出せると来た…不利以外の何者でもないなぁ。
私の手を引く死柄木を含め、敵の姿は8人。
それに囲まれるように置いてある椅子に拘束されているのは、私が現れたことに驚愕の声をあげた爆豪くんだった。
厳重な拘束であるために、きっと自力での脱出は不可能。
しかも、ヒーローによる救出が行われるとしても最低限生徒の安否確認を終えてから。
時間稼ぎが妥当か…きっと、爆豪くんもそのくらいはわかっているはず。
安易に挑発に乗らないでくれよ…。
「…私は拘束しなくていいの？」
「お前は不利な状況で暴れようとする人間じゃないだろう？」
爆豪くんの横に置かれた椅子へ死柄木に導かれる。
8人のヴィランからの視線はなかなかに痛いが、中でも制服を着た女の子のものは一際強かった。
それと、真横の爆豪くんのものも今にも射殺されそうなほどだ。
「さて、先ずは勧誘…と行きたいとこだが」
地下にあるバーのような様相であるこの空間。
まるでバーテンダーのように黒霧が酒瓶の並ぶカウンターの中に立ち、少し離れたところに制服の女の子が頬杖をついていた。
死柄木は私の手を離し、カウンターの前に設置されているスツールに腰かけた。
ほかのヴィランは、思い思いに壁に寄りかかりこちらを見ている。
「待ちきれない奴がいるからな」
死柄木の言葉に、この部屋の一番奥の扉がゆっくりと開く。
現れてすぐ目を引かれたのは眩しいほどの金色の髪。
それから、私を真っ直ぐと見つめる紺碧の青い瞳。
「Aちゃん」
想像していたものよりもかなり低い声だった。
いや、記憶にある声よりも…が正しい表現かもしれない。
一歩、一歩と、足がこちらに踏み出される。
だんだんと近づいてくるその姿は、見覚えがあると同時に酷く違和感を抱くものだった。
私よりも小さかった身長は、高く。
白魚のような小さい手は、骨張った大きいものに。
肩幅は広く、首は太く…あったはずの胸の膨らみも消え去っていた。
彼女だったはずの、彼の姿。
私はなんとも言えない感情に、顔を歪める。
彼はそんな私を見て、酷く優しく微笑んで跪いた。
「やっと会えたね」
そう言って覗き込む陶酔したような表情が唯一、確かに彼が彼女だと私に教えた。
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ヒヨコ(プロフ) - こんにちは、とても大好きです。← ただ１つだけ。84の戦闘シーン、exchangeではなくreplaceの場所がないでしょうか？replaceが置き換えだと認識してるので、ちょっと違うかも？となりました！更新楽しみにしてます！ (2018年10月1日 15時) (
レス) id: 1a5754497d (このIDを非表示/違反報告)
あっぷる。 - No,2ヒーローがベストジーニストになってませんか？気のせいならすみません。 (2018年9月17日 16時) (レス) id: b076da837c (このIDを非表示/違反報告)
碧 - うわあああ好きです！！夢主ちゃん頑張れー！ (2018年9月9日 11時) (レス) id: 1914631717 (このIDを非表示/違反報告)
たまごぼーろ。(プロフ) - いけいけ夢主ちゃん！姫をぶん殴れ！！ (2018年9月7日 10時) (レス) id: acb2629ba7 (このIDを非表示/違反報告)
あっぷる。 - いけいけかっちゃん！夢主をおとせ！← (2018年8月23日 22時) (レス) id: b076da837c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：甘夏蜜柑
| 作成日時：2018年7月11日 21時
