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「…ッチ、行け」
これ以上話していても拉致があかないと判断したのか、死柄木は手をおざなりに振る。
その瞬間、前に出た三奈ちゃんと切島くんの目の前に脳無が現れる。
冷静に二人を私の元まで交換した。
「…全然、見えないんだけど…ッ」
「クソ、見えねぇ…」
顔を歪める二人に、頭を回転させる。
私が前線に出た場合、冷静に逃げることを判断できる人間がいない。
百ちゃんとか、耳郎さんもしくは障子くん、常闇くん辺りがいればそれも解決できるが、戻ってくる望みは薄い。
物間くんがそんな立場なのかと思っていたが、周りにB組がいないからか元々そういう性格なのかはわからないが酷く動揺しているように思える。
「A、セメントスと戦った時みたいにできるか！？」
「銃がないからできる頻度は落ちるけどできないことはない、かな」
足元に落ちている小石を拾い、切島くんに頷く。
その瞬間、ブラドキング先生の呻き声と施設の壁が壊れる音が響いた。
「ほらほら、どうするんだよ。プロヒーローが伸びちゃったぞ？」
死柄木の声に思わず視線を向けた先には、頭から血を流している先生が瓦礫の山に埋まっていた。
それに追撃をかけるべく拳を振り上げている脳無を、隣に立っていた切島くんと交換する。
目の前に現れた脳無が拳を下ろし、地面にヒビが入った。
「切島くんは先生を…！」
そう叫びながら手の中の小石を三粒飯田くんたちの方へ投げる。
三奈ちゃん、瀬呂くん、峰田くんを交換して後方に下げた。
ダメだ、先生が再起不能だと一気に生存確率が下がる…！
私が脳無を二つ相手できるわけもない。
「なあ、もう一度言うぞA」
二つの脳無を従え、死柄木は笑う。
チラリと向けた先の切島くんは、首を横に振った。
「お前は、バカじゃないよなぁ？」
赤い瞳が、私を見据える。
それを遮るように目を瞑り、息を深く吐いた。
「…皆、」
「A、ちゃん？」
三奈ちゃんの呆然としたような声が後ろから聞こえてきた。
振り返ることなく、目を開いた。
「もし、死柄木が嘘をついて攻撃してきた場合は全力で逃げて」
そう言って足を踏み出した時、背後からゴクリと唾を飲む音が聞こえた。
死柄木は私に真っ直ぐと右手を伸ばした。
その瞬間、黒い霧に脳無が包まれる。
…黒霧…か。
自分の手を、彼の手に乗せる。
中指はやはり、触れないように離されていた。
「ようこそ、A A」
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ヒヨコ(プロフ) - こんにちは、とても大好きです。← ただ１つだけ。84の戦闘シーン、exchangeではなくreplaceの場所がないでしょうか？replaceが置き換えだと認識してるので、ちょっと違うかも？となりました！更新楽しみにしてます！ (2018年10月1日 15時) (
レス) id: 1a5754497d (このIDを非表示/違反報告)
あっぷる。 - No,2ヒーローがベストジーニストになってませんか？気のせいならすみません。 (2018年9月17日 16時) (レス) id: b076da837c (このIDを非表示/違反報告)
碧 - うわあああ好きです！！夢主ちゃん頑張れー！ (2018年9月9日 11時) (レス) id: 1914631717 (このIDを非表示/違反報告)
たまごぼーろ。(プロフ) - いけいけ夢主ちゃん！姫をぶん殴れ！！ (2018年9月7日 10時) (レス) id: acb2629ba7 (このIDを非表示/違反報告)
あっぷる。 - いけいけかっちゃん！夢主をおとせ！← (2018年8月23日 22時) (レス) id: b076da837c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：甘夏蜜柑
| 作成日時：2018年7月11日 21時
