85 ページ35
．
「…物間くんは確か個性を真似できるんだったね？」
「…そうだよ」
青い顔で警戒するように視線を寄越す物間くんに前を向いたまま手を差し出す。
「私の個性、コピーして使えるようにしといて」
「僕、」
「キミは戦闘じゃなくて、逃走組に当てる。私の個性は役に立つと思うよ」
戸惑うような空気を感じて、一気にそう言った。
少し間が空いてから、指先に温かい手の感触が伝わる。
「逃走は飯田くん、砂糖くん、口田くん、物間くんがベストだと思う」
「な、俺も…？」
「砂糖くんは補給できる糖が無いからね。ここでパワー切れを起こされたら一気に不利だし、個性の都合上口田くんも森に行った方が確実」
電気くんは個性的に集団戦はまだできない。
峰田くん、瀬呂くんはサポートに回ったほうが都合がいい。
私も、『書き換え』の個性の使用は抑えないと使いものにならなくなるからサポートに回るべき。
となると直接戦えるのは切島くんと三奈ちゃん…か。
「電気くんは外部と連絡を取れないか試して」
「わかった」
「峰田くんと瀬呂くんは拘束性のある個性だから、サポートに回ろう。特に峰田くんの『粘着』はアイツらの捕縛に有効のはず」
「や、戦るのかよ…」
「任せろA」
「切島くんと三奈ちゃんは出るなら私と一緒に…それか洸汰くんの守備に回って」
「俺は出るぜ…！」
「…私も」
皆一様にして顔色は悪い。
きっと、私もそう明るいものではないのだろう。
しかし、皆も逃げられるとは思っていないはず。
泣き出す者がいないのは、きっとUSJ襲撃の事件を乗り越えることができたから。
「はぁ？なんで戦う気になってんの？」
意味がわからないとでもいう風にうなじをガリガリと掻き毟る死柄木。
思い通りにいかない苛立ちが滲み出ていた。
一つの脳無は今もブラドキング先生と戦闘しており、五分五分の実力そうだ。
脳無の中にも優劣がありそうだ。
「面倒だな。お前が俺とくればいいだけだぜ？」
「…本当にそれ以上手を出さない保証はないし、森の方は安全を保障してくれないでしょう？」
「あー、森の方は無理だな。俺の管轄じゃない」
それに私や爆豪くんが拐われた場合、雄英の責任問題が今までよりも一層浮き彫りになる。
バレていないはずの場所に敵の出現、プロヒーローがいながらも生徒に被害が出る。
これだけでも問題だが、ヴィランに拐われたとなると世間は放っておかないだろう。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1111人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ヒヨコ(プロフ) - こんにちは、とても大好きです。← ただ１つだけ。84の戦闘シーン、exchangeではなくreplaceの場所がないでしょうか？replaceが置き換えだと認識してるので、ちょっと違うかも？となりました！更新楽しみにしてます！ (2018年10月1日 15時) (
レス) id: 1a5754497d (このIDを非表示/違反報告)
あっぷる。 - No,2ヒーローがベストジーニストになってませんか？気のせいならすみません。 (2018年9月17日 16時) (レス) id: b076da837c (このIDを非表示/違反報告)
碧 - うわあああ好きです！！夢主ちゃん頑張れー！ (2018年9月9日 11時) (レス) id: 1914631717 (このIDを非表示/違反報告)
たまごぼーろ。(プロフ) - いけいけ夢主ちゃん！姫をぶん殴れ！！ (2018年9月7日 10時) (レス) id: acb2629ba7 (このIDを非表示/違反報告)
あっぷる。 - いけいけかっちゃん！夢主をおとせ！← (2018年8月23日 22時) (レス) id: b076da837c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：甘夏蜜柑
| 作成日時：2018年7月11日 21時
