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ハッと我に帰った時、授業中であったことを思い出した。
先ほど見ていたのは、白昼夢なのだろうか。
どれほど授業が進んでしまったかと視線を上げれば、そこには授業をしていた相澤先生の姿。
その表情は動揺と驚愕に彩られていた。
何かあったのか、と現状を把握しようとするも彼は私をまっすぐ見ていた。
それを不思議に思ったのだろう。
前の席に座っている百ちゃんが、さり気なく後ろを確認する。
次の瞬間、音が出そうなほど勢いよく振り返った。
「…Aさんっ！？」
え、と声を零した私の手に、生温い温度が落ちる。
思わず視線を下げれば、視界の端からポタポタと零れ落ちる透明の雫が手の平を伝っていた。
…私、泣い…てる…？
呆然と手の平をみる私に、徐々に視線が集まる。
それは驚きに始まり、心配するものであったがそれを気にする余裕が私にあるわけもない。
「…どうした、具合悪りぃのか…？」
「…い、や…大丈夫…」
「大丈夫じゃねぇから泣いてんだろ」
百ちゃんの隣に座る轟くんの言葉に、首を傾げる。
視界の端で、わたわたとハンカチを創り出す百ちゃんが見えた。
創り出さなくとも、彼女はいつもハンカチを常備しているというのに。
「Aさん…コレを、」
そう言って創ったばかりのハンカチを私に差し出す彼女は、今にも泣きそうだった。
泣いている私よりも、辛そうなものだった。
真っ直ぐと見つめてくる彼女の瞳はどこまでも広がるような黒。
髪も、まるで漆塗りのような艶やかな黒だった。
私が好きな、黒色だった。
ズキリとした心臓の痛みに、シワがよるほど強くそこを掴む。
えぐり出そうとするかのように、強く。
ああ、なんなんだこの感情は。
痛い、辛い、苦い、気持ち悪い、悲しい。
「…A、保健室行ってこい」
静まり返ってしまった教室の空気を切り裂いたのは、相澤先生だった。
その静かな声に、急速に冷静になる頭。
「すみません…、」
授業の邪魔をして、と続けようとしたが嗚咽が溢れそうになって口をつぐむ。
相澤先生は、わかっているとでも言うように首を縦に降る。
「…百ちゃん、ハンカチ…っ、ありがとう」
込み上げそうになる嗚咽を飲み込みながら、やっとの事でそう告げる。
それから、足早に教室を出て保健室に足を向ける。
涙も…この胸を渦巻く感情も、今しばらく収まる様子はなかった。
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ヒヨコ(プロフ) - こんにちは、とても大好きです。← ただ１つだけ。84の戦闘シーン、exchangeではなくreplaceの場所がないでしょうか？replaceが置き換えだと認識してるので、ちょっと違うかも？となりました！更新楽しみにしてます！ (2018年10月1日 15時) (
レス) id: 1a5754497d (このIDを非表示/違反報告)
あっぷる。 - No,2ヒーローがベストジーニストになってませんか？気のせいならすみません。 (2018年9月17日 16時) (レス) id: b076da837c (このIDを非表示/違反報告)
碧 - うわあああ好きです！！夢主ちゃん頑張れー！ (2018年9月9日 11時) (レス) id: 1914631717 (このIDを非表示/違反報告)
たまごぼーろ。(プロフ) - いけいけ夢主ちゃん！姫をぶん殴れ！！ (2018年9月7日 10時) (レス) id: acb2629ba7 (このIDを非表示/違反報告)
あっぷる。 - いけいけかっちゃん！夢主をおとせ！← (2018年8月23日 22時) (レス) id: b076da837c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：甘夏蜜柑
| 作成日時：2018年7月11日 21時
