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その言葉を最後に、死柄木の姿もワープゲートの役目を果たした黒霧の姿も跡形なく消えた。
それでも、私は彼らが消えた虚空を睨み続けていた。
「…支払いは？」
「もうすでにいただいております」
5分ほど経った時、こうしていても仕方がないと立ち上がる。
マスターに視線をやれば、首を横に振られてそう告げられた。
私の目の前の瓶の中身は、半分も減っていない。
仄暗いバーを出て、切れと言われた携帯の電源を入れる。
とりあえず路地裏を出て、人が行き交う表の通りに出た。
…“私と2人きりの世界を作るため”？
馬鹿じゃないの。
ああ、
「イラつく…」
ふと出た声は、酷く震えていて頼りなかった。
寒いわけでも、ないと言うのに。
一つ息を吐き出して、携帯をみる。
やっと立ち上がり、電波を受信した携帯は即座に着信を告げた。
「は、」
『Aッ、無事か！？』
「…い、Aです。無事です」
USJ襲撃以来の低い怒鳴り声が耳を劈く。
クラスの誰かだろうとロクに確認もしなかったが、まさか相澤先生からの電話だったなんて。
内心驚きながら、促されるままに現在地を告げる。
警察が迎えに行くからといわれ、とりあえず近くの壁にもたれた。
「先生」
『なんだ？』
「『西園寺 姫子』は、望んであちらに着いているようです」
目の前を行き交う人の波をぼんやりと見ながら、ポツリとこぼした。
息をのむ気配がした後、声が帰って来た。
『3秒で、殴れるんじゃなかったのか？』
機械越しだからだろうか。
その声がいつもよりも優しい気がして、自然と口角が上がる。
自嘲めいたものになってしまっているかもしれない。
「殴れますよ」
そう、殴れる。
「殴ることなんて…簡単ですよ」
私はきっと次にアイツに会った時、簡単に拳を振りかざすだろう。
でも。
「…けど、この気待ちは何なんでしょう」
死柄木に聞いた時、どれほど苦しくなったか。
『失望』にも似た、この胸の痛みは。
「殴ることなんて簡単です…でもコレは、どうすれば消えますか」
ギリッと胸元を片手で掴む。
服にシワがよって、ドレープを描いた。
「…相澤先生の個性じゃ、消えないんですか…」
『A、』
相澤先生の声に我に帰る。
そして、慌てて誤魔化すように何でもないと告げて通話を切った。
…馬鹿か、私は。
心の中で自分を叱咤し、来るであろう警察の迎車を待った。
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ヒヨコ(プロフ) - こんにちは、とても大好きです。← ただ１つだけ。84の戦闘シーン、exchangeではなくreplaceの場所がないでしょうか？replaceが置き換えだと認識してるので、ちょっと違うかも？となりました！更新楽しみにしてます！ (2018年10月1日 15時) (
レス) id: 1a5754497d (このIDを非表示/違反報告)
あっぷる。 - No,2ヒーローがベストジーニストになってませんか？気のせいならすみません。 (2018年9月17日 16時) (レス) id: b076da837c (このIDを非表示/違反報告)
碧 - うわあああ好きです！！夢主ちゃん頑張れー！ (2018年9月9日 11時) (レス) id: 1914631717 (このIDを非表示/違反報告)
たまごぼーろ。(プロフ) - いけいけ夢主ちゃん！姫をぶん殴れ！！ (2018年9月7日 10時) (レス) id: acb2629ba7 (このIDを非表示/違反報告)
あっぷる。 - いけいけかっちゃん！夢主をおとせ！← (2018年8月23日 22時) (レス) id: b076da837c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：甘夏蜜柑
| 作成日時：2018年7月11日 21時
