45 ページ45
．
二度目の大爆発。
煙が晴れた先にいたのは、所々焦げた爆豪くんと、無傷だが砂まみれの私。
「ッチ、」
「、ぅ、お…！」
間髪入れずに迫った拳を避けた瞬間、また爆発。
ステージを大きく削って作られた瓦礫が飛ぶのを視界に入れて、片手で彼の腕を触る。
パッと入れ替わった瓦礫。
腕を瞬時に書き換え、ステージの外に投げ、
「ッぐ、」
後ろから爆風が襲う。
追撃を避けるように、前転の要領で勢いを殺す。
「死ねクソがぁ…！」
そのまま足をバネにして横に大きく飛んだ。
ほぼ同時に私がいた位置が爆発する。
さっき場外に投げた瓦礫、見失った…！
砂煙を裂くようにズオッと迫る右手。
爆発する前に一歩踏み出して、間髪さえながら彼の懐に入った。
次いで左手が目の前に迫る。
、今…！
タイミングを見て自分と位置を変えた。
大きな爆風を受けて大きく身体を打ち付けてしまう。
「ッゲホ、」
素早く起き上がって口に入った砂を吐き出す。
彼は自分の全力の爆発を自分で食らったはずだが、そもそも彼自体に爆発は効くのだろうか。
「小賢しいんだよ…依怙贔屓オンナァ…！」
「依怙贔屓女じゃなくて、名前で呼んでって…言ったじゃん…？」
ニタリと酷く好戦的な笑みを浮かべた彼。
効いているには効いてそうだが、私の疲労と割に合わない。
「知るかァ…！」
右手の大振り。
何も交換できるものはない。
…しょうがない。
腕を書き換え、爆発に耐えられるように強化。
そのまま右手を掴んで組み伏せようとしたが、右の爆発が来る前に左で大きく爆発が起こる。
「ったぁ…」
…読み間違えた？
いや、右手もダメージを受けてる…ってことは両方やったのか。
「っらぁ…！」
追い討ちとばかりに伸ばされた手を掴む。
瞬時に爆破されたが、離さなかった。
強化された手は、それくらいじゃあ吹っ飛ばない。
ニッと笑って、思いっきり右手を振りかぶって殴る。
が、避けられてしまった。
そのまま足払いをかけられ、全身を包む浮遊感を感じながら。
位置を入れ替える。
「…降参、する？」
握っていた右手を後ろ手で捻り、左手で首の後ろを抑えつける。
肩で息をしながらそういえば、すごい形相で睨まれた。
未だ押さえつけている右手は、爆破がやまない。
…このまま砂埃が掃けてくれれば。
ズキンと頭が痛んだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 967人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
びだくおん - 25のところ相澤先生のセリフ『礼』が『例』になっていると思いますよ〜 (2018年9月26日 20時) (
レス) id: 928f36eedf (このIDを非表示/違反報告)
裕貴雛@きょーたん(プロフ) - 突然すみません。こいつ何言ってんだと思うかもしれませんが書きます。replaceという単語が書き換えるという意味でで出てきてるのですがreplaceの方が一般的に置き換えるの意味の方が強いです。また、exchangeは商品やお金に対して使うのでchangeをオススメします。 (2018年7月11日 4時) (レス) id: 630a80e8a5 (このIDを非表示/違反報告)
瑞稀(プロフ) - すっごく面白いです！！！！これから少しずつわかってくるであろう真実にドキドキします！誰落ちかも楽しみです〜！更新楽しみにしてます！ (2018年6月28日 22時) (レス) id: be8945b53e (このIDを非表示/違反報告)
ユニ(プロフ) - 紹介文の漢字が英雄になっています！間違ってたらすみません。 (2018年6月24日 18時) (レス) id: dff716be10 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：甘夏蜜柑
| 作成日時：2018年6月21日 2時
