会長 308 ページ28
.
「な、なんだと…」
綱吉くんの迷いない言葉に、狼狽えたD
そんな彼に、綱吉くんは続ける
今は亡き、エレナさんの言葉を…
「エレナさんは…お前に感謝してる」
「ボンゴレの超直感で感じるんだ」
「エレナさんはお前が自分のことをずっと忘れずにいてくれたこと…自分のためにずっと必死に起き続けてくれたことに『ありがとう』って…」
今にも風に攫われそうなDは、涙を流す
そして、震えた声で口を開く
「エレナ…お前を救えなかった私を……」
「許してくれ…」
ポタリポタリと地にDの涙が流れ落ちた時、Dは苦しみの声を上げる
それに綱吉くんは駆け寄り、リボーンはそんなDに声をかける
「ボンゴレ10代目は候補は確かにダメで情けないところもあるが、心配するほど弱くねーってな」
ボンゴレは綱吉くんに任せて眠れとそういうリボーンに、Dはフッと笑みを零した
「何十年ぶりかに眠いと感じる…エレナの気持ちを聞けて…緊張が解けたようです」
だんだんと崩れていくDの身体
この大地に広がるように風の力を使い、舞い上がっていく
「たとえそれが、沢田 綱吉の猿芝居だとしても」
Dのその言葉に、綱吉くんは目を見開く
「お前のやり方を見せてもらいましょう沢田 綱吉。ただし名を汚すようなことがあれば許しませんよ」
ぶわりと一層強い風が吹く
Dの身体が、透けるようにして崩れた
「エレナの愛したボンゴレなのだから」
優しい、柔らかい声が空から降り注ぐ
私の位置からでは聞こえない声で、リボーンと綱吉くんは言葉を交わした
綱吉くんが再び空を見上げた時、騒がしい声が聞こえる
それは、Dと復讐者に捉えられていた人たちのもので
…ああ、皆げんきだな
一気に騒がしくなって、私は思わず膝の上で眠る八雲くんに視線を下ろす
未だ目を覚ます様子のない彼を、古里くん達もちらちらとこちらを見て心配している
しかし、この空間に水を差すように現れたのは復讐者だった
「ボンゴレ…シモンよ。最後に伝えるべきことがある…8番目の『鍵』だ」
復讐者は、Dを倒した褒美としてジョットとコザァートが誓い合った後の過去を伝えるという
その声と共に、流れ込んできたのは暖かい幸せの記憶だった
聖地と呼ばれる今私達がいる島に似ている場所にコザァートとそのファミリーはいた
小さい女の子を抱き上げたコザァートは笑う
もうボンゴレに会う気はないと言って
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 992人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「リボーン」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
バイパー(プロフ) - 会長が会長がぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!これからも頑張ってください!! (2017年5月26日 21時) (
レス) id: 9e0fe0a3ea (このIDを非表示/違反報告)
林檎飴(プロフ) - あぁぁぁぁぁぁぁ会長ぉぉ！お客様！お客様の中にお医者様はいらっしゃいませんかぁぁぁ！？ (2017年4月23日 22時) (レス) id: 87903ff8ef (このIDを非表示/違反報告)
ゆにおん(プロフ) - 文才すごくありますね！！面白いです！頑張ってください (2017年4月17日 19時) (レス) id: 357fba11b9 (このIDを非表示/違反報告)
沢優@蝸牛更新だぜ★(プロフ) - やっぱり面白いです！なぜそんなに文才があるのか…俺も見習いたいですよ…!!更新頑張ってください！ (2017年3月26日 15時) (レス) id: 5a14bd1f6f (このIDを非表示/違反報告)
桐枝(プロフ) - とってもとっても面白いです！ (2017年2月11日 22時) (レス) id: a0cd7a23ee (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：甘夏蜜柑
| 作成日時：2016年12月15日 20時
