会長 305 ページ25
side クローム
「ヌフフ…あまりの痛みに意識を失ったか…？」
余裕そうに笑うDが、Aをゴミだとでもいうように放り投げる
どちゃりと受け身も何もなく地に叩きつけられた彼女の体はピクリとも動かない
…ッA、死んだの…？やだっ
「…Aッ……骸様！」
「落ち着きなさいクローム。死んではいないでしょう…虫の息であることには変わりないでしょうがね」
死んではない、という言葉に安堵の息を吐く
しかし、油断は許されない状況なのだろう
彼女の元へと身体を動かそうとするものの、炎の足りない体は思う通りに動いてくれない
その間にも、Dはボスの元へと歩みを進めていた
…ボスも、Aも殺されちゃう…！
そう思い、顔が思わず青ざめた時古里 炎真が叫ぶ
その時彼の指からリングが外れ、リングが意思を持っているようにボスの元へ飛んだ
「あっ」
まばゆい光が辺りを満たし、目がくらむほどの光が私たちを包む
復讐者がいうには、これもまた記憶を導く『鍵』らしい
頭の中に流れ始めた映像を見るべく、私はゆっくりと目を閉じた
side A
もう何も考えたくない、と一瞬そう思ってしまった
しかし、頭の中に流れるのは強制的なもので
目の前が真っ暗だからだろうか、とても鮮明に映る記憶
『だが、また再び両ファミリーが真の友情を取り戻せたならば』
真っ直ぐ復讐者を見つめるコザァートの瞳には迷いがなかった
それは、ボンゴレのボスであるジョットにも言えることで
『誓いが守られた証として、その意思は一つとなり俺たちの炎を灯す！！』
ボンゴレとシモンの、大空と大地が一つになったリングはオレンジと赤い炎を灯す
暗い闇の中を、確かに明るく照らしてくれる
『……ッ、ヴェント…救えなくて済まなかった…ッ』
そのまばゆい光の奥、二つのリングを手に泣き崩れる影
それは私のよく知るネーヴェさん、その人だった
『ヴェント…ッ、愛している…！』
咽び泣くその姿に、胸が軋む
色素の薄い瞳から溢れる涙は、Dに殺された彼女を心から思うものなのだろう
伝えないと、いけない
そんな衝動に駆られた
お節介かもしれない、いらない世話かもしれない
それでも、彼女はこんなにも思われている
伝え、ないと…
全身は痛いし、動かない
それでもまだ、私は生きている
まだ、希望を捨ててしまうのは早いのだろうから
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 992人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「リボーン」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
バイパー(プロフ) - 会長が会長がぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!これからも頑張ってください!! (2017年5月26日 21時) (
レス) id: 9e0fe0a3ea (このIDを非表示/違反報告)
林檎飴(プロフ) - あぁぁぁぁぁぁぁ会長ぉぉ！お客様！お客様の中にお医者様はいらっしゃいませんかぁぁぁ！？ (2017年4月23日 22時) (レス) id: 87903ff8ef (このIDを非表示/違反報告)
ゆにおん(プロフ) - 文才すごくありますね！！面白いです！頑張ってください (2017年4月17日 19時) (レス) id: 357fba11b9 (このIDを非表示/違反報告)
沢優@蝸牛更新だぜ★(プロフ) - やっぱり面白いです！なぜそんなに文才があるのか…俺も見習いたいですよ…!!更新頑張ってください！ (2017年3月26日 15時) (レス) id: 5a14bd1f6f (このIDを非表示/違反報告)
桐枝(プロフ) - とってもとっても面白いです！ (2017年2月11日 22時) (レス) id: a0cd7a23ee (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：甘夏蜜柑
| 作成日時：2016年12月15日 20時
