会長 295 ページ15
.
「…っは、は…っは…」
もう既に、一晩が明けた
私を本当に綱吉くん達の元へ行かせない気だったのだろう
思ったよりも、最初の地点へ戻るのに時間がかかってしまった
…やはり、ジョットはコザァートを裏切ってなどいなかったのか
太陽がまたしても傾き始めている
彼らが3日かけて進んだ道は、整っているようで入り組んでいた
闘技場のような場所、明らかに人が落ちたような穴など、常識では到底考えられぬ道は複雑で、私の気力と体力を奪うにはもってこいだったようだ
住宅街だったであろう荒地を抜けた時、頭の中に流れ込んできた例の現象
それは、コザァート率いるシモンファミリーが戦争中に危機に見舞われている状況を表すものだった
Dは、それを機会にコザァートを嵌めようとしたのだろう
「…はぁ…っ、」
しかし、ジョットはDの考えなど見通して居たのだと二度目の現象で知った
Dの使者として送られて居たはずの人間は、ジョット達の信頼する守護者達であったらしい
なんで今日だけ二度目の現象が起こったのか…
まさか、同時に決着でもつけたのか？
木々の隙間から、眩しいほどに夕日が私を照らしている
今日はこれぐらいにしようかと、荷物を降ろしため息を吐く
山登りなど慣れない事をすれば、普段使わない筋肉が悲鳴をあげていた
「まだ…追いつけないか」
微かな痕跡は辿れるものの、背中など見えやしない
滝が近いのだろうか、水が大量に落ちる音が小さく響いて聞こえてきた
ふと喉が渇いて、持ってきたペットボトルの水を口に含む
…まだ暗くならないだろうから、もうひと頑張りしよう
そう決めて、荷物を持ち直して立ち上がった
そして、大きく一歩を踏み出して歩き始める
緩やかな傾斜であることが幸いだと感じながら、地道に一歩一歩歩いて行った
「最後まで父さんを信じるよ！！」
…あ、いた
すっかり夜も更け、寝床をどうしようかとさまよっていれば綱吉くんの声が聞こえた
それに、いい感じに気持ちも固まったようだ
「やぁ、綱吉くん」
「会長、こんばんは…」
「こんばんは。ところでなぜ山本くんが元気そうなのか不思議すぎるんだけど…」
「ああ、それはですね……って会長ぉぉおおおお！！！！？」
後ろから声をかけてみれば、面白いほどに反応してくれる
…とりあえずは、まあどうにか合流できたから休もうか
焚き木に当たらせてもらい、私はまず休息を取ることにした
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 992人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「リボーン」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
バイパー(プロフ) - 会長が会長がぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!これからも頑張ってください!! (2017年5月26日 21時) (
レス) id: 9e0fe0a3ea (このIDを非表示/違反報告)
林檎飴(プロフ) - あぁぁぁぁぁぁぁ会長ぉぉ！お客様！お客様の中にお医者様はいらっしゃいませんかぁぁぁ！？ (2017年4月23日 22時) (レス) id: 87903ff8ef (このIDを非表示/違反報告)
ゆにおん(プロフ) - 文才すごくありますね！！面白いです！頑張ってください (2017年4月17日 19時) (レス) id: 357fba11b9 (このIDを非表示/違反報告)
沢優@蝸牛更新だぜ★(プロフ) - やっぱり面白いです！なぜそんなに文才があるのか…俺も見習いたいですよ…!!更新頑張ってください！ (2017年3月26日 15時) (レス) id: 5a14bd1f6f (このIDを非表示/違反報告)
桐枝(プロフ) - とってもとっても面白いです！ (2017年2月11日 22時) (レス) id: a0cd7a23ee (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：甘夏蜜柑
| 作成日時：2016年12月15日 20時
