会長 291 ページ11
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「…おはよう」
「………おは、よ」
昨日は気まずいまま、彼に布団を貸してもらって寝た
夜中は一回も起きることなく、朝に自然に目が覚め、まっすぐ天井を見上げた
そこで視界に移ったのは、ひょこりとベットから顔を出してこちらを除く八雲くんの姿
…敵、だもんね
寝れなかったんなら、悪かったなぁ
ゆっくりと起き上がれば、朝特有のひんやりした空気が体を貫く
身体の怠気を取るために両腕を伸ばして、欠伸を一つ零した
そして、予め持ってきておいた着替えに袖を通して行く
ちゃんと後ろ向いてくれるの、優しいよなぁ
昨日もそうだったが、着替えると分かれば瞬時に体を翻す八雲くん
後ろから見える耳は赤く染まっていて、微笑ましく思えてしまう
そんなふうに隅で考えながらも、その心の大半を占めているのは昨日のDの言葉の所為で湧き上がる罪悪感だった
私の汚い感情が、私でさえも気づいて居なかった感情が、暴かれてしまった
当然綱吉くんたちは、こんな感情持っていること自体考えてもいないんだろう
だからこそ、気づかれたくない
着替え終わったと彼に告げれば、彼は恐る恐るこちらを見る
何か言いたげな表情を浮かべる八雲くんに、言葉を促すために首を傾げてみせた
「会長さんは、」
自分の唇をグッと噛み締めた時、ポツリと八雲くんが呟いた
彼の瞳は相変わらず前髪で見えないが、じっとこちらを見ているように思えた
「…なんで、俺を助けよう…って、思った、の？」
助けに来た、と昨日宣言した時よりも落ち着いた雰囲気で質問が来た
1日置けば、私の気持ちが変わると思ったのか…それとも、一度間を置けば心を鎮めて話し合うことができると思ったからか
変わらない拒絶の色はそのままに、しかし、疑問の色が濃く浮き出ているその声を聞いて
自然と、私の胸に浮かんだのは2文字の漢字だけで
これを言ったら、八雲くんは困るかもしれない
一瞬、本当に一瞬だけ言葉に出すかを迷ってしまう
それは、自分が傷つくことを恐れているからで
彼の拒絶をこれ以上聞きたくないからで
でもそれじゃあ、何も変わらないのだと自分に言い聞かせてみる
「それは、」
八雲くんを助けたいのなら
これからを過ごしたいのなら
私は一つ深く息を吐いて、いつの間にか下げてしまっていた視線を再び上げる
そしてふっと柔らかく笑みを浮かべて口を開いた
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バイパー(プロフ) - 会長が会長がぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!これからも頑張ってください!! (2017年5月26日 21時) (
レス) id: 9e0fe0a3ea (このIDを非表示/違反報告)
林檎飴(プロフ) - あぁぁぁぁぁぁぁ会長ぉぉ！お客様！お客様の中にお医者様はいらっしゃいませんかぁぁぁ！？ (2017年4月23日 22時) (レス) id: 87903ff8ef (このIDを非表示/違反報告)
ゆにおん(プロフ) - 文才すごくありますね！！面白いです！頑張ってください (2017年4月17日 19時) (レス) id: 357fba11b9 (このIDを非表示/違反報告)
沢優@蝸牛更新だぜ★(プロフ) - やっぱり面白いです！なぜそんなに文才があるのか…俺も見習いたいですよ…!!更新頑張ってください！ (2017年3月26日 15時) (レス) id: 5a14bd1f6f (このIDを非表示/違反報告)
桐枝(プロフ) - とってもとっても面白いです！ (2017年2月11日 22時) (レス) id: a0cd7a23ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：甘夏蜜柑
| 作成日時：2016年12月15日 20時
