会長 204 ページ5
．
「…ラル、入るよ」
コンコン、と軽くノックをして医務室のドアを開ける
そこにはこちらに背を向けたラルが、ベットの上に横たわっていた
「Aか、いよいよ…明日なんだってな」
「ん、もう誰かが報告しに来たみたいだね」
「…あぁ、綱吉の奴が一丁前のことを言っていった」
グッと握りしめる手の中にあるのは、迷彩柄のバンダナ
僕が前に何度か見かけたことのあるコロネロの、ものなんだろう
「ラル、正直言って僕は…次の白蘭との戦いに勝てる自信は、無い」
「、なっ…」
こちらをバッと振り返ったラルは、僕の顔を見て目を見開く
そして、自身を落ち着けるように息を吐いてから問いかけた
「…何故だ。彼奴らはこの期間ずっと、頑張ってきていただろう」
「そう、もちろん僕もね。でも、向こうの戦力の大きさを知った」
僕の言葉に眉を寄せるラルに、自嘲的な笑みを浮かべる
「常識的に考えてね、あり得ないんだよ。ミルフィオーレに勝てるなんて」
「…お前は、そうやって諦めるのか」
「諦める？そんなこといってないんだよ、僕は」
意味がわからない、なんていう表情をしているラルに苦笑する
そして、乱雑に後頭部を掻いて息を吐き出した
「やらなきゃ、いけないんだよ。どんなに大きい力を向こうが持っていようとも、僕らの力がなかろうと」
ラルの瞳を真正面から見つめる
彼女の瞳に映った僕は、今までに無いほど真剣な顔をしていた
「負けられない。たとえ負ける未来が見えていようとも。誰かを失う未来をなくすために」
「…お前、」
「…ただ、それだけのことだよ」
何か言いたそうにするラルに気づかないふりをして笑った
ラルは、悲痛そうな顔をして僕を見る
「お前は、馬鹿な奴だな」
「…とっくの昔に自覚してる」
呆れたような声にそう返して、目を瞑った
瞼の裏に映るのは、たくさんの笑顔
僕が失いたく無いと足掻くための、糧
「ラル待ってて。死んでも、皆を生かせてみせる」
「…ああ、待っている。期待しているぞ」
ラルに頷いて、医務室のドアノブに手をかけた
そして躊躇いなく、外に出る
…無理をするな
小さく聞こえてきたラルの声に気づかなかったふりをして
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コアラ - ここで言うのもなんですけど、お風呂の回主人公のあざを作者忘れてますよね〜 (2017年7月2日 5時) (
レス) id: 09b6c4131f (このIDを非表示/違反報告)
金魚ばち(プロフ) - ザン兄に抱きしめられたい。そして作者様のような語彙力が欲しい。 (2016年9月4日 9時) (レス) id: c9325c6a31 (このIDを非表示/違反報告)
@まーく(プロフ) - 更新きた！！やっぱり会長はカッコイイですね惚れる(*´∀｀*)これからも頑張ってください！！ (2016年8月16日 13時) (レス) id: 8711a4e48e (このIDを非表示/違反報告)
主人公って性格最高だわ!!@沢優(プロフ) - とても楽しく読ませてもらってます!!更新頑張ってください！ (2016年7月19日 17時) (レス) id: 7489f80356 (このIDを非表示/違反報告)
ロール(プロフ) - とても面白いです。続き楽しみにしてます！更新頑張って下さい！応援してます！！ (2016年7月5日 0時) (レス) id: ee26429b75 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：甘夏蜜柑
| 作成日時：2016年2月19日 23時
