会長 229 ページ30
．
「痛くなどあるものか！！」
「夜だから叫ぶな。それと痛いもんは痛いの」
怪我の手当てを終えた笹川が叫ぶ
夜の森は酷く暗く、焚き火を二つ炊いてやっと光が取れる程度だ
痛みに騒ぐ笹川の額に一つのデコピンを入れて、何やら騒がしい方へと足を運ぶ
「入江、大人しくしてなよ。安い挑発になんて乗らなくてもいいでしょ」
γの部下、野猿と太猿と言い合う入江を嗜める
元、ホワイトスペルとブラックスペルだからだろうか、そこまで仲が悪いのは
「…獄寺くんもね。γもユニが困っても良いの？」
にっこりと笑みを浮かべてやれば、舌打ちをしてそっぽ向く獄寺くん
それにため息を吐いて、ラルの居る方へと向かう
「しかし似ているな…お前の祖母…ルーチェに」
「だろ？」
「ラルもユニのおばあちゃんの知り合いなんだ…」
ラルの感嘆したような声に、同意するリボーン
そして、ルーチェさんをしらない綱吉くんの声に笑った
「本当によく似てるよ、ユニは。アリアよりも、ルーチェさんの方に似てるんじゃないかな」
「…ああ、確かにな」
一瞬、訝しげな視線をこちらに向けたのはリボーン
私がルーチェさんを知っていることを、疑問に思ったのだろう
それをなんでもないような顔をして受け流す
「ユニ…お前は、アルコバレーノの誕生の時のことは知っているのか？」
「はい…、記憶の断片に存在しています」
ユニとラルの会話に、首を傾げる綱吉くんを横目に見る
リボーンは、アルコバレーノのことを綱吉くんに話さない気なのだろうか
まあ、私が言えることではないが
「ルーチェは…先を見通す不思議な能力を持っていた。お前にもあるのか？」
少し懐かしむような表情をしつつ、柔らかい声で問うラル
それにゆっくりと頷いたユニ
新しい事実に、驚愕の表情を表したのはγと綱吉くんだった
「かつては…ありました。でも近頃は弱まってきています。でもそれは白蘭も同じです」
ユニの言葉に入江の疑問がぶつかる
それに少し微笑みながら答えるユニ
白蘭も同様の能力が弱まってきているらしい
それも、1日に一度程度の頻度でしか利用できないほどに
「…でもなんで出来てたことができなくなるの？」
そう問いかける綱吉くんに、彼女は諦めたような表情を見せた
そしてゆっくりと口を開く
「力の枯渇と、衰えだと思っています…」
彼女のその言葉に、衝撃を受けたのはハルと綱吉くんだ
．
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 837人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「リボーン」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
コアラ - ここで言うのもなんですけど、お風呂の回主人公のあざを作者忘れてますよね〜 (2017年7月2日 5時) (
レス) id: 09b6c4131f (このIDを非表示/違反報告)
金魚ばち(プロフ) - ザン兄に抱きしめられたい。そして作者様のような語彙力が欲しい。 (2016年9月4日 9時) (レス) id: c9325c6a31 (このIDを非表示/違反報告)
@まーく(プロフ) - 更新きた！！やっぱり会長はカッコイイですね惚れる(*´∀｀*)これからも頑張ってください！！ (2016年8月16日 13時) (レス) id: 8711a4e48e (このIDを非表示/違反報告)
主人公って性格最高だわ!!@沢優(プロフ) - とても楽しく読ませてもらってます!!更新頑張ってください！ (2016年7月19日 17時) (レス) id: 7489f80356 (このIDを非表示/違反報告)
ロール(プロフ) - とても面白いです。続き楽しみにしてます！更新頑張って下さい！応援してます！！ (2016年7月5日 0時) (レス) id: ee26429b75 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：甘夏蜜柑
| 作成日時：2016年2月19日 23時
