会長 90 ページ10
．
「ザン兄ッ！？」
私はザン兄に横抱きにされ、フランはいつの間にか大きな機械に抱えられている
不安そうにしているフランは、金髪くんにナイフで脅され大人しくしていた
「ザンザス！会長をどこにッ！？」
「Aを離しやがれ」
こちらを見て叫んだ綱吉くんと銃をザン兄に向けるリボーン
そんな彼等を視界に入れてザン兄は鼻で笑う
「ッハ、ビビってるてめぇらが、今のAに何が出来る」
その言葉に、思わずザン兄の胸元の服をギュッと握ってしまった
私はもう、人殺しだ
きっと、穏健な彼等にとって恐怖の対象になっているかもしれない
「…行くぞ」
そう言ってザン兄が走る
しかしそれによって伝わってくる振動は少なく、ザン兄が私に気を遣ってくれていることがわかった
なんで…私はザン兄の仲間を…
グッと唇を噛み、目を瞑った
そうすれば、嫌でも甦える光景
水々しく柔らかい肌を刺していくレイピア
生気を失っていく濁った瞳
まるで魚のように助けを求める口
それから溢れたドス黒い血
動く事を忘れ重力に従ったままの肢体
咽喉からシャワーのように吹き出した赤＿＿＿＿
「何も考えるんじゃねぇ」
「え…」
グッと、横抱きにされて持たれている肩と膝裏に圧迫感が増す
言われた事に困惑して視線をザン兄に向けた
「今は、何も考えるんじゃねぇ」
「…ん」
何を言われているか理解して、ザン兄の上着を握る
そして、短く返事をした
…そうしないと、大声で泣いてしまいそうだった
「ハッ、カスが」
そう言ってザン兄は屋根を蹴る
その声は、どこかあったかくて柔らかかった＿＿＿＿＿
side 綱吉
「どうしよう…」
そう呟いた俺の声は暗闇に吸い込まれる
とっくの前に会長とフランくんを連れたヴァリアーは闇の中に溶けて行ってしまっていた
「俺の、所為だ…」
そう言って頭を抱える
「んなわけないじゃないっすか！」
そういった獄寺くんの言葉に首を振る
そして、死んでいる相手を見た
「…俺が会長に…敵を殺させたんだ！」
声に出してみると恐ろしくて体がガクガクと震え次々と涙が出てくる
隣にいるリボーンは何も言わずに遠くを睨みつけていた
俺が…会長に雪のリングなんてお願いしたから…！！
初めて、あんなに大量の血を見た
白かったドレスを赤いドレスに変える勢いで染めていく血を
「俺は最低だ！一瞬でも…」
会長を…仲間を、怖いと思っちゃったんだ！！
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 553人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「リボーン」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まちゃ(プロフ) - いつも楽しませて頂いています！頬やほっぺにあたる部分が文字化けしているのですが、私だけでしょうか…。 (2015年12月20日 1時) (
レス) id: da202836aa (このIDを非表示/違反報告)
四神(プロフ) - こんにちは！いつも楽しく拝見させて頂いてます！あと…ザンザスの綴りが違うと思うのですが…XANXUSだったと思います (2015年8月17日 20時) (レス) id: 5260633f1b (このIDを非表示/違反報告)
小豆(プロフ) - いつも読ませて頂いております(*´ω｀*)具合の方は如何でしょうか？できる限り無理のないように頑張って下さい！いつまでも応援しております！(`・ω・´)ゞﾋﾞｼｯ!! (2015年8月4日 12時) (レス) id: 27a4425c4b (このIDを非表示/違反報告)
蜜妃 - ↓色々とﾒｼｳﾏｧだよね。 (2015年7月29日 16時) (レス) id: c968381c54 (このIDを非表示/違反報告)
涼風 - 個人的に雲雀さんとの絡みが大好きなんですけどフランもいけますね（＾ω＾）ていうか2人が可愛すぎます！ (2015年7月20日 20時) (レス) id: 87ece292d1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：甘夏蜜柑
| 作成日時：2015年4月29日 19時
