会長 107 ページ28
.
相変わらず胡散臭い笑みを浮かべる骸の手の中には二つのリング
驚愕に顔色を染める中、黒曜の二人組だけは嬉しそうに声を上げていた
…圧勝、か
まだまだ、骸に敵う日は遠そうだ
チェルベッロに指示を仰ぐ骸を見て、ため息を吐いた
怪奇現象のようなものを受けた脳の頭痛は止んでいたが、幻術系に詳しい彼なら何か分かるだろうか
「まだだよ！」
悲鳴にも近い怒号が飛んでくる
どこからか砂のようなものが集まり始め、マーモンが成型されていく
「ハァ…ハァ…僕の力はまだまだこんな物では…！」
「ご存知ですよね？」
負け惜しみのような呪詛を吐くマーモンに余裕の笑みを崩さない骸
どちらが勝つかはもう決まり切っているようなものだった
…幻術を幻術で返されたら…知覚のコントロール権を完全に奪われた事を示している、か
その証拠に、骸は何もしていないのに蛇のようなものがマーモンの首に巻きつく
そして強く締め付ける
「さぁ、力とやらをみせてもらいましょうか？」
グラリと頭が揺れたような感じがして、平衡感覚が消える
床の木片と共に足元に空いた穴へ落ちていく
僕は必死に自分に言い聞かせながら唇を噛んだ
「どうですか？アルコバレーノ…僕の世界は！！」
楽しそうに表情を浮かべた骸は、マーモンの口の中に入っていく
全身が入り込んだと思えば、いきなり膨らみ始めるマーモン
胃の中に収められる質量はとっくに超えているであろうこの光景に、僕は安堵する
…ああ、フランを連れて来なくて良かった
こんなにヤバいものを見せるわけには行かなかった
それとプラスしてトラウマものにでもなっている骸を、フランとあわせるわけにはいかなかった
爆発音を立てて粉々になったマーモン
肉片すらなく、血の一滴もない
…暗殺者はこんな死に方しか出来ないのか
体育館の中央に降り立つのは骸のみ
片手には、完成された一つのリング
圧倒されていたチェルベッロが我に返り、判定を下す
「ちょ、そんな…そ、そこまでしなくても…！」
咎めるように一歩前に出た綱吉くんに、骸は視線を向ける
「この期に及んで敵に情けをかけるとは…どこまで甘い男ですね。沢田 綱吉」
それと、といって僕に視線を写す骸
「キミもですよ…A A」
「…ナッポーに言われてもね」
頬に伝う生温い涙を拭う
泣こうと思っていなくても、勝手に涙腺が緩む
…僕って、こんなに泣き虫だったかな
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 553人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「リボーン」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まちゃ(プロフ) - いつも楽しませて頂いています！頬やほっぺにあたる部分が文字化けしているのですが、私だけでしょうか…。 (2015年12月20日 1時) (
レス) id: da202836aa (このIDを非表示/違反報告)
四神(プロフ) - こんにちは！いつも楽しく拝見させて頂いてます！あと…ザンザスの綴りが違うと思うのですが…XANXUSだったと思います (2015年8月17日 20時) (レス) id: 5260633f1b (このIDを非表示/違反報告)
小豆(プロフ) - いつも読ませて頂いております(*´ω｀*)具合の方は如何でしょうか？できる限り無理のないように頑張って下さい！いつまでも応援しております！(`・ω・´)ゞﾋﾞｼｯ!! (2015年8月4日 12時) (レス) id: 27a4425c4b (このIDを非表示/違反報告)
蜜妃 - ↓色々とﾒｼｳﾏｧだよね。 (2015年7月29日 16時) (レス) id: c968381c54 (このIDを非表示/違反報告)
涼風 - 個人的に雲雀さんとの絡みが大好きなんですけどフランもいけますね（＾ω＾）ていうか2人が可愛すぎます！ (2015年7月20日 20時) (レス) id: 87ece292d1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：甘夏蜜柑
| 作成日時：2015年4月29日 19時
