会長 94 ページ14
．
「やるぞ」
ピチャリと消毒液たっぷりのガーゼを当てられる
次の瞬間に、腹部から痛みが走る
「…ぁ、ッグ……ぅッ…！」
フランが近くにいる為、泣き叫ぶわけにもいかないのでソファの背もたれに顔を押し付けた
ケガをした後は風呂上がりに自分一人の時にやっていたので声を抑える必要は無かった
しかし、今ここで泣き叫べばフランがきっと心配する
…我慢しろ我慢しろ我慢しろ！
自分にそう言い聞かせて喉を潰すようにして耐える
手早く包帯が巻かれていく感触に、ホッと息を吐いた
意外にも、手当をやってくれたのはザン兄だった
「…何があった」
ワンピースを直しながら座って、顔を歪めているフランを抱きしめる
「ムギュッ」
フランがギュッと抱きついてきたので、間にいるマーモンが苦しそうな声を上げた
「…ちょっとね」
少し腕を緩めつつそう答えた
そして、フランを頭を撫でる
腕が緩んだ分を埋めるようにフランが無言でギュッと抱きしめてきた
マーモンがまた苦しそうな声を上げる
「フラン、マーモン離してあげなよ、苦しそうでしょ」
「…わかりましたー」
渋々という風にマーモンから手を離したフラン
マーモンはため息を吐きながらふわふわと飛んで1人掛けのソファにちょこんと座る
「ザン兄、今日ここ泊まっていい？」
「…好きにしろ」
私が質問にちゃんと答えなかったからか、不機嫌そうに酒の入ったグラスを傾けるザン兄
そんな彼に礼を言った
「部屋は取ってあるよ、一部屋だけだけどね」
307号室だよ、と教えてくれたマーモンにも礼を言って、フランの手を引いた
ザン兄の部屋を出る時、赤い瞳がこちらを見据える
「…おやすみ」
そう言って、後ろ手でドアを静かに閉めた
「何か言いたそうでしたよー？あのおっかない人ー」
いいんですかー？と聞いてきたフランに笑いかける
そして、教えてもらった部屋を探しながら口を開いた
「…大丈夫、だと思うよ」
ザン兄は言いたい事は遠慮せずに言う人だし、他人に何かをする事を躊躇ったりする人じゃない
逆に手まで出してくるからね…
まだ殴られたことないけど
「…疲れたー、こっちの霧の守護者誰だろ？」
「知りませーん、早く寝ましょー？」
「うん」
部屋に入ってみれば、ベットは一つしか無かった
それには特に疑問を持たず、2人一緒に入る
…寝れるかな
なんて思いつつ、フランの頭を撫でて取り敢えず目を閉じた
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まちゃ(プロフ) - いつも楽しませて頂いています！頬やほっぺにあたる部分が文字化けしているのですが、私だけでしょうか…。 (2015年12月20日 1時) (
レス) id: da202836aa (このIDを非表示/違反報告)
四神(プロフ) - こんにちは！いつも楽しく拝見させて頂いてます！あと…ザンザスの綴りが違うと思うのですが…XANXUSだったと思います (2015年8月17日 20時) (レス) id: 5260633f1b (このIDを非表示/違反報告)
小豆(プロフ) - いつも読ませて頂いております(*´ω｀*)具合の方は如何でしょうか？できる限り無理のないように頑張って下さい！いつまでも応援しております！(`・ω・´)ゞﾋﾞｼｯ!! (2015年8月4日 12時) (レス) id: 27a4425c4b (このIDを非表示/違反報告)
蜜妃 - ↓色々とﾒｼｳﾏｧだよね。 (2015年7月29日 16時) (レス) id: c968381c54 (このIDを非表示/違反報告)
涼風 - 個人的に雲雀さんとの絡みが大好きなんですけどフランもいけますね（＾ω＾）ていうか2人が可愛すぎます！ (2015年7月20日 20時) (レス) id: 87ece292d1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：甘夏蜜柑
| 作成日時：2015年4月29日 19時
