【REBORN！】危険です、会長！

会長 49 ページ9

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「…あ"ー書類地獄ー」


唸りながらも、決して手を止めたりはせずに万年筆を動かし続ける

腹部がズキリと痛んだ

しかし、それを気にも留めずに目を片っ端から通していく


退院した僕を待っているのは、並中の書類地獄

それを知った僕は、だいたい動けるようになってすぐに病室で書類の整理を始めた

僕の鬼気迫る表情をみて、この状況を理解したのか、フランはずっと何も言わずに僕のベットの隣で座っていい子にしていてくれた

今だってそう、フランは無表情でジュースを啜りながら静かにしてくれている


今日は退院日だ

そして、目の前にあるひと山の書類が終われば、晴れて自由になれる


「A…何か飲みますかー？」


「…んー、紅茶を入れられる？」


わかりましたーと言って椅子を降りたフランは近くにあるポットへ近づく


「火傷しないようにね」


「Aはミーを舐めすぎですー」


笑いながら謝れば、フランは大抵を許してくれる

前はよく剥れていたのにな、なんて思いながら、また一枚書類を作成する

ほとんどがサインが必要な物だけなので、スイスイと仕事が進む


最後の一枚だ…やっと…


「どうぞですー」


コトリと置かれた紅茶からは林檎の香り

フランは意識しているのかいないのか、よくアップルティーを入れてくれる


…林檎が好きなのか？


「ありがとう、フラン…っと、終わった！！」


フランにお礼を言った後に、思わず叫んでしまう

最後の一枚を書類の山の上に重ねる

その時、ガラッと病室のドアが開いた


「Aさん、退院の手続きが終わりましたよー」


入ってきた綺麗なお姉さん

真っ白な白衣と笑顔がよく似合っている


「…よし、丁度だね」


笑いながらベットを降りる

ズキリとやっぱり腹部が痛んだが、気にせず荷物を持った

薬を処方してもらい、フランと手を繋いで病院を出た


「フラン、ありがとうね」


「えっ？」


キョトンとしてこちらを見るフランに笑う


「フランが毎日隣にいてくれたから書類頑張れたんだ」


そう言うと、フランはプイッとそっぽを向いていう


「まったく、ミーがいないと本当にダメですねー、Aは」


被っている林檎と同じ色に頰を染めるフラン


「…しょうがないから一緒に居てやりますー」


横を向いてそう言ったフランの口角は上がっていて、どこか得意げだった


…可愛いなぁ


なんて思いながら、帰路に着いた

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