会長 47 ページ7
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パチリ、またしても目が醒める
しかし、今度は耐え難い痛みが身体中を駆け抜ける
…死ななかったようだね
息がし辛い
パイナップルが入っていたように、肋骨が幾つか折れてしまっているのかもしれない
唯一動かすことの出来た視線を彷徨わせる
「…ふ…ぁ…ん」
フラン、と言おうとしたが呂律が回らなかった
僕のベットの横で突っ伏して寝ているフラン
邪魔になりそうな林檎は無く、目元は真っ赤だった
「…A…」
僕の名を呟いて身じろぎするフランの目元から、涙が溢れる
…心配させたな
左手を気力で動かし、フランの頭にゆっくり乗せる
そして、優しく撫でて涙の伝う頰に手を当てた
「…んぅ…」
無意識で手に擦り寄るフランに思わず笑みをこぼした
…眠い…
身体を一生懸命直そうと細胞が動いているからか、僕の脳に寝ろと命令する
それに従って、瞼が徐々に落ちていく
…六道 骸と雲雀は…?
そう思いながらも、眠気には逆らえず再び意識を落とした
_____A…も…四日…起き、ない
_____ど…よう、リボ…ン…
_____うっせ…ダ、ツナ…
…うるさい、な
人が寝てるっていうのに…
あまりの騒がしさに目が覚めた
視界に入ったのは、まずリボーン
しかし、僕に背を向けているために気づいていないらしい
「…りぼ…ん…」
「A、起きたか」
「会長!会長が起きた!俺雲雀さんに言ってきます!」
ペチペチと僕の頰を叩くリボーン
会長を連呼して飛び出して行った綱吉君
そして、ボロボロと涙を零すフラン
「…ふら、ん…泣かな…で」
掠れる声を振り絞り、そう言えば余計に顔を歪める
そんなフランに呆れて、身体をゆっくり起こす
身体中に激痛が走るが、構わずベットに腰掛けた
「A、無理するな。お前は四日間も寝てたんだぞ」
「…ん、だいじょぶ…フランおいで」
フランに手招きすれば、恐る恐る近づいてくるフラン
「A…ッ大丈夫です、かー?」
頰に伝う涙を拭いながら頷いてやる
「A…死んじゃったりッ…しませ、か?」
もう一度頷いてやる
「大丈夫だからおいで…フラン」
にっこり笑ってそう言ってやれば、そっと手を回してきたフラン
震えている小さな身体を、今できる思いっきりの力で抱き締めてやる
しばらく泣き止みそうにないな…
そう思いながらフランの背中を軽く叩いてやった
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ぬこぬこ(プロフ) - 実は公式でも雪の守護者っているんですよー(´・ω・`)ゲームのオリキャラですけどね特に気にしてる訳でもないんですけど豆知識的な感じで (2019年4月4日 2時) (レス) id: a359276646 (このIDを非表示/違反報告)
ボカオタ - ザンザスちょいエロ///ヤッベェ鼻血出ちゃいそうです////← (2015年4月26日 20時) (レス) id: 87ece292d1 (このIDを非表示/違反報告)
甘夏蜜柑(プロフ) - ジョウオウ蜂さん» ありがとうございます!頑張りますね! (2015年4月26日 19時) (レス) id: b96b0fe977 (このIDを非表示/違反報告)
ジョウオウ蜂 - この作品大好きです!主人公とザンザスとの関係が気になりました。これからも更新頑張ってください☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆ (2015年4月26日 17時) (レス) id: 4c8760ff86 (このIDを非表示/違反報告)
甘夏蜜柑(プロフ) - 、と考えたりするんじゃないかなという妄想です。友達、の件は確かに性急すぎたかもしれませんね。言うならば…了平的思考とでも言っておきましょうか…まあ、この辺で納得していただければ幸いです。ご指摘感謝いたします。 (2015年4月26日 0時) (レス) id: b96b0fe977 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:甘夏蜜柑 | 作成日時:2015年3月30日 23時