会長 45 ページ5
．
「ふ、らん…？」
ズキズキと痛む頭をあげると、視界に入ったのは相変わらずのデカい林檎を被って、今にも泣きそうに顔を歪めたフラン
「…おやおや、起きてしまいましたか」
「Aッ、血が…！！」
駆け寄ってきて、僕の身体に抱きつくフラン
僕はフラつく頭に叱咤しながら、無理矢理上半身を起こす
「…まだ、起き上がれるのですか…」
心底面白いとでも言いたそうな表情を浮かべるパイナップル
「…いや、フランが…いるのに、寝てなんか、らんないでしょ」
「A、ダメですッ」
必死に止めようとするフランに微笑みながら、立ち上がった
殴られた所からか血が大量に流れ出て、僕の右目の視界を赤黒く染める
「もう寝てて下さい」
スッとこちらに近寄ってきたパイナップルに回し蹴りを入れるがかわされる
回し蹴りの回転を使って持っているダーツを投げる
しかし、それも武器で弾かれてしまった
「これでどうですかッ！」
勢いよくパイナップルが腹に蹴りを入れる
腹部の中で、鈍くくぐもった音が聞こえた
「A…ッッ！」
フランの叫び声を聞きながら、後ろに吹き飛ばされる
「肋骨が幾つか折れてしまいましたかねぇ…？」
愉快そうな声がぼんやりと頭の中に響く
…クソッ！
心の中で悪態をつきながら、どうにか立ち上がる
視界の端にボロボロと泣いているフランが映る
「おっと…これ以上動かないで下さいよ」
グイッと右腕を捻り上げられ、背中で固定された
無理矢理な体制に、身体中が悲鳴を上げる
「そういえば…貴女は女性、でしたか…」
「…だ、ゴホッ、ったら…なに…？」
身体が着地した時に、脳震盪でも起こしたのかもしれない
グラグラと揺れる視界に、気持ち悪さが増した
「…困りましたね、女性をいたぶる趣味はなかったのですが」
「…な、で…ふら、んを…ッ！」
すっかり忘れていました、と言って腕の力を緩めたナッポーを睨む
「…あの子には幻術の才能がありましてね…是非僕の元で育て上げたいのですよ」
クフフ…と笑うパイナップル
「Aッ！死んじゃやだ！Aッッ！！」
敬語さえも忘れて泣き叫ぶフラン
林檎の幻覚さえも無く、どれほど僕の事に必死になっているかが目に見て取れた
「クフフ…殺しはしませんよ、安心して眠りなさい」
闇に引きずられていく意識の中、最後に見えたのは少し悲しげな表情を浮かべるパイナップルと、大泣きしているフランだった
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 402人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「リボーン」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ぬこぬこ(プロフ) - 実は公式でも雪の守護者っているんですよー(´・ω・｀)ゲームのオリキャラですけどね特に気にしてる訳でもないんですけど豆知識的な感じで (2019年4月4日 2時) (
レス) id: a359276646 (このIDを非表示/違反報告)
ボカオタ - ザンザスちょいエロ///ヤッベェ鼻血出ちゃいそうです////← (2015年4月26日 20時) (レス) id: 87ece292d1 (このIDを非表示/違反報告)
甘夏蜜柑(プロフ) - ジョウオウ蜂さん» ありがとうございます！頑張りますね！ (2015年4月26日 19時) (レス) id: b96b0fe977 (このIDを非表示/違反報告)
ジョウオウ蜂 - この作品大好きです！主人公とザンザスとの関係が気になりました。これからも更新頑張ってください☆*:.｡. o(≧▽≦)o .｡.:*☆ (2015年4月26日 17時) (レス) id: 4c8760ff86 (このIDを非表示/違反報告)
甘夏蜜柑(プロフ) - 、と考えたりするんじゃないかなという妄想です。友達、の件は確かに性急すぎたかもしれませんね。言うならば…了平的思考とでも言っておきましょうか…まあ、この辺で納得していただければ幸いです。ご指摘感謝いたします。 (2015年4月26日 0時) (レス) id: b96b0fe977 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：甘夏蜜柑
| 作成日時：2015年3月30日 23時
