会長 75 ページ35
．
「…急に危ないな」
ナイフの飛んできた方に視線を向ければ、扇子のようにナイフを持つ金髪くん
ナイフを避けた為に、僕の左手の人差し指は赤ん坊から離れてしまった
「マーモンのほっぺムニムニしていいの王子だけだしっ」
「…カス」
「お、王子謝んねーし！だ、だって俺、王子だもんッ」
「ちょザン兄、怖い、怖いから」
金髪くんに少し殺気を向けるザン兄を止める
…心なしか金髪くんが涙目になっているような気がしたから
「ッチ…後で会いに来い」
B棟から出てきた綱吉君達を視界に入れたザン兄はそう言って僕の腕を離した
そして、ザン兄は僕の脇腹に手を伸ばす
「ザン兄…？」
スーツの上着の下をスッと撫でただけで離れた手
僕は厳ついザン兄の顔を首を傾げながら見る
「…てめぇも、カスだなA」
そう言ってザン兄は脇腹を撫でた方の人差し指をペロリと舐める
流れるような動作の中で、その人差し指に血が付いていたことに気づいた僕は目を見開く
きっと、怪我の具合と僕の良くはないコンディションに気づいたのだろう
しかも、さっきナイフを避けた時に余計に血が出たのだと思う
「…ザン兄には悪いけど、」
ニッと笑って、ザン兄を見る
「僕は、勝つよ」
僕の言葉に、向こうで綱吉君が叫んだ気がした
きっと、僕が宣戦布告をしたことに頭を抱えているのだろう
「偽物に負けてあげるほどお人好しじゃないんだ」
そう言って、ユリアに視線を向ける
僕の言葉に、多少動揺したのだろう
握られている拳が震えていた
「…やってみろ」
何か思い当たる節でもあるのか、ザン兄は思考を巡らしたように一瞬黙ってから鼻で笑って言う
「あとさ」
何かの機械の手に乗っている赤ん坊に手を伸ばす
「ム…なんだい？」
大人しく抱えられてくれた事を嬉しく思いながら、再びザン兄の方を向く
ザン兄は僕が何を言うかわかったようで、真紅の瞳に呆れを宿してこちらを見る
「このコ、ちょっと貸して？」
「え"っ！！」
僕の言葉に反応したのは自称王子
それだけこの赤ん坊がお気に入りなのだろう
「…勝手にしろ」
「やった、ねえ今回だけ僕の腕の中で見てくれないかな？」
「…しょうがないね、ボスがそう言ったんだし」
思わず、笑みが零れる
そんな僕を見て諦めたのか、金髪くんは溜息を吐いて拗ねたようにこちらを見た
「…ちゃんと返すからさ」
「あったりまえだし」
「僕はおもちゃじゃないんだけど」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 402人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「リボーン」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ぬこぬこ(プロフ) - 実は公式でも雪の守護者っているんですよー(´・ω・｀)ゲームのオリキャラですけどね特に気にしてる訳でもないんですけど豆知識的な感じで (2019年4月4日 2時) (
レス) id: a359276646 (このIDを非表示/違反報告)
ボカオタ - ザンザスちょいエロ///ヤッベェ鼻血出ちゃいそうです////← (2015年4月26日 20時) (レス) id: 87ece292d1 (このIDを非表示/違反報告)
甘夏蜜柑(プロフ) - ジョウオウ蜂さん» ありがとうございます！頑張りますね！ (2015年4月26日 19時) (レス) id: b96b0fe977 (このIDを非表示/違反報告)
ジョウオウ蜂 - この作品大好きです！主人公とザンザスとの関係が気になりました。これからも更新頑張ってください☆*:.｡. o(≧▽≦)o .｡.:*☆ (2015年4月26日 17時) (レス) id: 4c8760ff86 (このIDを非表示/違反報告)
甘夏蜜柑(プロフ) - 、と考えたりするんじゃないかなという妄想です。友達、の件は確かに性急すぎたかもしれませんね。言うならば…了平的思考とでも言っておきましょうか…まあ、この辺で納得していただければ幸いです。ご指摘感謝いたします。 (2015年4月26日 0時) (レス) id: b96b0fe977 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：甘夏蜜柑
| 作成日時：2015年3月30日 23時
