episode…110 ページ37
．
覗いた先には、綱吉さんに拳銃を向けたスパナ
私は、音を立てずに近ずいていく
そして、右手を拳銃のように形作り、スパナの後頭部に人差し指を軽く当てる
「…動くな」
低い声でそう呟けば、拳銃をゆっくりと降ろしたスパナ
銃を捨てろと指示する
そして、その銃を拾って右手を降ろした
「手荒い真似して悪いね」
苦笑いを浮かべて敵ではないことを示す
銃は水路の中に投げ捨てた
「アンタ…誰？」
銃が指だったと気づいて、やっちまったぜとでも言う風に頭を掻くスパナ
そんな彼の質問には答えずに、ニッコリと笑った
「ね、彼の完成形…見てみたくない？」
私の言葉に、スパナの目が光ったような気がした
彼は、コクリと頷く
「私は笹川 A、ボンゴレの時の守護者兼ね…ミルフィオーレの捕虜」
そう言って、右手を差し出した
スパナは、少し首を捻って考えてから、目を見開いた
「アンタが…総大将のお気に入り？」
「…あんな奴に好かれたくなかったね」
「ウチは…」
スパナは私の右手を握ってから、懐を探る
…武器じゃ、ないよね？
少し警戒しつつ見ていれば、一枚の紙が出された
それには、お酢の『酢』とお花の『花』という漢字が歪な字で書かれていた
いや、それだけではない
花という漢字の右斜め上には半濁点
『酢花゜』
つまり…スパナ、か
「…スパナ、よろしく」
キラキラとした瞳で見られたら、その期待には答えなければならないだろう
私がそういえば、とても嬉しそうに笑ったスパナ
「やった…！ちゃんと読んで貰えた…」
…うん、正しく無いけどね
「…ほら、早く行こう」
そう言って、綱吉さんを担ぐように言えば、キラキラとした瞳のまま綱吉さんを軽々と担いだ
そして、慣れたように歩いていく
「こっちに誰にもバレてないとこがある。そこにこれから行く」
「わかった。ちょっと演技してもらう事になるけどいいかな？」
…まあ、できるだけ原作通りにね
「…？わかった」
不思議そうな表情を浮かべつつも、頷いたスパナ
こう言っちゃ悪いが、聞き分けのいい子供のようだ
…まだ気づいてないかな、正一くんは
そう思いながら、所々に擦り傷をつけた綱吉さんの頭を撫でる
硬そうに見える髪なのに、意外にふわふわ
すごいな、さすが無重力ヘアー
そんな感想を持ちながら、スパナの後についていった
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BLACK(プロフ) - すっごく面白かったです！骸との絡みとお話の続きが気になります！更新お願いします！ (2021年8月17日 0時) (
レス) id: 5fa5486c5f (このIDを非表示/違反報告)
雪雛 - お身体大丈夫ですか？？体調管理もお気をつけてください。更新待ってます！ (2018年8月7日 20時) (レス) id: 42849da78e (このIDを非表示/違反報告)
はまよう(プロフ) - リボーンの夢小説で一番好きな作品です！ お体に気をつけてください！もしよければ更新待ってます(//∇//) (2018年5月2日 9時) (レス) id: 6acd6d9c40 (このIDを非表示/違反報告)
黒猫♪♪(プロフ) - お身体に気おつけて更新頑張ってください！ (2018年3月28日 11時) (レス) id: 80ca512ce2 (このIDを非表示/違反報告)
闇の道化師(プロフ) - 退院…出来ましたか？辛いですよね…入院って…これからも応援しているので、気が向いたら更新してくれると嬉しいです。 (2017年5月4日 9時) (レス) id: a4c5ed2f5a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：甘夏蜜柑
| 作成日時：2015年3月13日 18時
