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切「はぁ?怖い?何言ってんすかA先輩?」
意味が分からないという風にそう言った切原くん
意味もなく、口角が上がった
…ああ、素直だなぁ切原くん
幸「何かしちゃったかな、俺達」
貴「…そういう事じゃないんですよ…これは…私の問題です」
どうしようも出来ないんです
そういえば、腑に落ちないような表情を浮かべる精市さん
丸「…何が、怖いんだよぃ?」
丸井くんの質問を聞いて、コーヒーを飲んで唇を濡らす
ふぅっと息を吐けば、視線が集まったことを感じる
…言わなきゃダメかな
そう思いつつ、口を開いた
貴「…貴方達と違う事が」
「私は…貴方達と違います」
だから、そばにいていいのか分からないくて、怖いんだ
切「そりゃあ、ちげぇんじゃないっすか?」
1テンポ遅れて、何言ってんのお前、みたいな態度でそう言われる
…切原くん、あたしの言った意味がわかって言ってるの?
切「だって、A先輩女じゃん」
………
仁「…やっぱ、赤也は馬鹿じゃな」
この場にいた全員が思ったことを、雅治が代弁した
精市さんなんかは、もう呆れて額を抑えている
切「え!?なんでっすか?」
柳生「…今回ばかりはフォローの仕様もありませんね」
ジャ「ああ、無理だな」
…まあ、確かに性別が違う事も要因の一部を形作っているのかもしれないが
貴「ふふっ…だから…しょうが無いんです」
苦笑しながら言う
切原くんはさっぱりだという風に、何がだよと不貞腐れたように呟いた
貴「私が今の…
幸「今…?」
クエスチョンマークを浮かべるレギュラー陣の中、一人だけ思案しているのは雅治
雅治は、あたしを見たことがあるからこの言葉の意味が分かるんだろう
貴「…そして、それをやめる気は無いんです」
…あたしは…貴方達と並ぶ勇気が…資格が無い
こんなに、自分の意見の一つも持ちたがらないあたしが
こんなに、流されてばかりの、あたしが
こんなに…強くて凛とした貴方達と
並べるわけも、無い
貴「私は入れません。」
そう言って、ニコリと笑う
視界に納得のいかないような表情を見せている人もいたが、無視した
貴「ケーキ、食べましょうか」
この話は終わりとばかりに話を逸らして、あたしは目の前にあるレアチーズケーキにフォークを刺した
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ひな - 凄く面白いです!読んでくうちに感動して涙が出ました! (2019年3月5日 2時) (レス) id: b401e87431 (このIDを非表示/違反報告)
ばろろん - 仁王希望で! (2015年3月30日 18時) (レス) id: 2ad4b6f1e3 (このIDを非表示/違反報告)
蘭希 - 財前オチがいいです! (2015年3月28日 19時) (レス) id: 09f1b7a4a3 (このIDを非表示/違反報告)
みかりん♪ - 柳さんがいいです! (2015年3月28日 10時) (レス) id: ef8895fc8b (このIDを非表示/違反報告)
ゴマミソ - 柳くんでお願いします! (2015年3月27日 9時) (携帯から) (レス) id: 499e9b52c7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:甘夏蜜柑 | 作成日時:2015年2月15日 13時