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26流 ページ26





幸「え?もちろんテニス部勧誘?」


精市さんの言葉に、一斉に頷くレギュラー陣


貴「…帰ってもいいですか?」


幸「なんで?」


貴「…入部する気が無いんです」


取り敢えずイチゴタルトを口に運びながら答える

…精市さんの笑顔を威圧は見なければどうにかなると思う


幸「テニス部が嫌い?」


精市さんのその問いに、唇を噛んだ

両隣から受ける視線

右は雅治、左は丸井くん


その質問はずるいと思う


あたしは、言いたくないんだ

自分の意見を…意思を

明確な意思を持ってしまえば、それを他人に委ねることは格段に難しくなる


つまり…流される、という事が出来なくなる


特に、好き嫌いは曖昧であるはずのもので

あたしは常に『普通』を選んでいた

氷帝のテニス部は『普通』

詩野さんも『普通』


言い換えれば、全部曖昧にして誤魔化してたんだ


幸「…Aさん?」


貴「…嫌いじゃないです」


これも、また曖昧


切「はっきりしろよー」


モグモグと口を動かしながら言う切原くん


真「赤也ッ!年上には敬意払わんか!」


柳生「そうですよ、失礼にあたります」


窘められた切原くんは、あたしの方へ面倒臭そうな顔を向ける


切「…だってコイツ…Aセンパイ、先輩たちと違って自分の事全然言わないじゃないっすか」


コイツ、と言いかけて、言い直した切原くん


幸「…赤也」


貴「…精市さん、切原くんの言っていることは正しいです」


戒めるように名を呼ぶ精市さんの声に被せる

精市さんは、納得の行かなそうな表情を浮かべつつも口を閉じてくれた


…しょうがない、なぁ


貴「…私は…テニス部の事…好きですよ、もちろん氷帝のテニス部も詩野さんだって好きです」


好き、という単語を一度出せば楽だった

スルスルと出てきた言葉に、自分自身驚いた


柳「なら…」


貴「でも、やりたくないんです」


やればいいじゃないか、と言われるのが怖くて、柳さんの声を遮った


貴「…私は貴方達が____」









「________怖いんです」






【先輩たちと違って】





先ほど、切原くんに言われた言葉が、頭の中でリピートされる


そう、あたしは…貴方達とは違う









それが…怖いんだ

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ひな - 凄く面白いです!読んでくうちに感動して涙が出ました! (2019年3月5日 2時) (レス) id: b401e87431 (このIDを非表示/違反報告)
ばろろん - 仁王希望で! (2015年3月30日 18時) (レス) id: 2ad4b6f1e3 (このIDを非表示/違反報告)
蘭希 - 財前オチがいいです! (2015年3月28日 19時) (レス) id: 09f1b7a4a3 (このIDを非表示/違反報告)
みかりん♪ - 柳さんがいいです! (2015年3月28日 10時) (レス) id: ef8895fc8b (このIDを非表示/違反報告)
ゴマミソ - 柳くんでお願いします! (2015年3月27日 9時) (携帯から) (レス) id: 499e9b52c7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:甘夏蜜柑 | 作成日時:2015年2月15日 13時

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