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「……つぎ、だれ」
「深澤」
「ほかに送った人いんの」
「佐久間と康二は送ったよ、朝早かったからね」
「ふーん……」
そこから会話は無く、深澤の家に着いた。連絡をすればOKのスタンプが飛んでくる。若干おじさんくさいよ、このスタンプ。
「おはよ〜」
「はいおはよう」
「おっ、翔太じゃん」
「……なんかテンション高くね」
「帆乃ちゃんの運転だからね、そりゃテンションあがるでしょ」
「あぁ……」
驚くくらいに演技が下手すぎる深澤。おいドラマ班、こいつを仲間にするのはミステイクだったんじゃないの。翔太が疑いの目を向けちゃってるよ、多分もう無理。
「今日はAちゃんオフ？ 」
「そう。だから私が出稼ぎに来てるの」
「言い方やべぇだろ」
「せっかくの休みにお前らのマネージャーしろって言われた私の気持ちがわかるか？ 」
「光栄なことでしょ、ジャニーズだぞ」
「もう足りてるんですよね、申し訳ないんですけど」
「ふっ、おもしれぇ女……」
「黙れ三枚目」
深澤と渡辺はいつの間にか寝てるから楽だよ！って言ってたチーフを殴りたい。こいつらのどこが静かなの。寝る気配が微塵もないんですけど。軽くコントができるくらいには元気です。
「この後はなにすんの」
「目黒と康二を拾って移動かな、基本は送迎だけだよ」
「え、現場には来ないんだ」
「そりゃいかないよ。万葵のマネージャーがお前らのマネージャーをしてるってなったらどんな記事が書かれるか分かったもんじゃないでしょ」
「それはそうか。あ、でもそれスノは来るでしょ」
「えぇ？ そこまで送ったら私帰りたいんだけど」
「暇ってこと？ じゃあ見てってよ、見学ってことで」
「やだよ、その流れだと全員分送らされるじゃん」
「バレた」
駄弁りは止まらないまま現場に到着。スタスタと先に行った翔太を見送った深澤はコソコソと助手席のドアを開けた。いつもちっさいカバンしか持ってないのに今日だけはちょっと大きめ。逆にもっと不自然だぞ、それ。
そんなこんなで早朝の陣から始まった今日のお仕事は順調そのもの。ちらっと見た天気予報では午後から雨の予報らしく、コンビニに寄ったときに傘を買っておいた。あー、確か片頭痛持ち結構居たよな、冷えピタも後で買っとこう。
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作者名：風呂 | 作成日時：2023年1月18日 22時
