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一人前ずつ分けられたプラの弁当容器。忙しい彼らのため、食べ終わったら捨てられるように配慮されてるところがなんとも彼女らしい。そもそもこの容器が家にあることがまず凄いんだけど。
「運転ありがとう！！ いってきまーす！！！ 」
「朝からありがとなぁ、いってくるわー！ 」
「転んだら起き上がるんだよ」
「何歳やおもてんねん！ 」
がははは。朝からキレ良すぎだろ。
この後は朝組第二陣の送迎。絶対に見つからないように上着とかで隠しといて！って言われてたから言うことを聞いてるけど、若干寒い。なんでそんなに意地悪に全力なんだ。みんなで分ければいいのに。
マネージャー二人は先に現場にいて待機。彼らのマネージメントはあくまで本当のマネージャーの仕事で、今日の私はただの助っ人。送迎がメインだから、今日の私の友達はこのハイエースだ。一日よろしくな。
「あ、もしもーし」
『……おはようございます、』
「はいおはよう。起きてるか確認の電話だから、また連絡するまでには準備しといて」
『……は゛い゛』
寝起きの悪すぎる渡辺。お前の姉ちゃんとは大違いだぞ。いや、あの子も起きたてはこんな感じか。
次は翔太と深澤。さっきとは違ってすごく静かそうなペア。曲でも流しておこうかな。ダメだ、深澤がいるからクラシックに変わっちゃう。
『もしもし』
「あれ、深澤？ 」
『差し入れあるってマジ？ 』
「え、あ、うん」
『っしゃあ！ あ、おはよう』
「おはよう。翔太迎えに行った後に行くから」
『了解、あ、差し入れバレないようにね』
だからなんなんや。いくら私でもこの量は食いきれんぞ。バレないようにって言ったって、深澤、お前が差し入れを引き取る時にバレるんじゃないの。まさか身を呈してまで意地悪をしようとしてるのか？ とんだバカだろ。
「はよ……」
「おはよ」
「なんか暑くね、」
「あ、ごめん、ちょっと下げるわ」
「……いや、いい、このままで」
キャップにグラサン、そしてサンダル。いつもの渡辺翔太って感じの翔太がやってきた。ほとんど目が開いてない。
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作者名：風呂 | 作成日時：2023年1月18日 22時
