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「あれ水だよな?」
「やっぱり見たのか……だったらどうする」
「いや、凄いなーって」
相手が俺をじっと見つめる。
それから頭をひねって何かを考え、目を細めてもう一度俺を見た。
まるで俺は疑われているようである。
「なんだよ」
「……ロエル」
「あ?」
「なんでもない。気にするな」
何かを言われた気がするが聞き取れなかった。
あまり人に見られたくないところを俺は見てしまったのだろうか。
取り敢えず見なかったことにする。
「そういえば、いつもは和菓子屋の店主が来ると聞いていたが、貴方は?」
「店主が腰痛めたらしくてな。俺はその代理。万事屋って知ってるか」
「よろずや……」
「頼まれたら何でもやるってのがウチの仕事よ。あんたも困ったことがあったらウチに来い。サービスするぜ」
手をひらひらと振り、忌々しき屯所を後にしようとしたところを引き止められた。
「待って、何でもするって言った?」
「報酬による」
「探し物して欲しいの」
袖をぎゅっと掴み、不安げな面持ちで俺を見上げている。
「探して欲しいのは、研究所。出来る?」
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シヴィル(プロフ) - とっても面白いです!何か理由があって更新できなくなったのかもしれないけど少しずつでいいので進んでみてください。応援しています! (2018年3月27日 16時) (レス) id: 5703f71a40 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あーたぁさんだぎぃ | 作成日時:2018年1月19日 21時