いや、近寄らないで下さい【A3!】 (ページ6)

今日:12 hit、昨日:0 hit、合計:317,473 hit

６ページ6

**

「あー!A、みーつけた!」

「ちょっと待ってください、近寄らないで一旦止まって」

せっかくバレずに玄関の外まで来れたというのに

荷物だけを置いて、早く帰ろうとしたら運悪く劇団員の一人に見つかってしまった

とりあえず、捕まってしまったら家に帰れそうにないので止まってくださいと言うと大人しく止まってくれた

よし、ずっとそのままでいろよ、です

姉にじゃあねと伝えるとすぐに足を早く進めた

「おい、ちょっと待て」

あと少しで寮から出られると思ったところで、いきなり腕を掴まれた

誰かと思いきや、目に入ったのはヤクザのお兄さん

あぁ、そう言えばこの人も...って、待てよ。なんでこの人に腕掴まれてるんだ。視線が怖すぎて泣きたくなる

「何でしょうか」

口では言えないが、心の中では離してほしいと思っている

無言でこの人は私の腕を掴んでは無理矢理引っ張っては歩き、着いた先は姉の元。振り出しに戻ってしまった

おまけに先ほど、止まってくださいと言った彼がいつの間にか側に来ていて

「つーかまえた！」

なんて言われて、思いっきり三角さんに抱きしめられた。く、苦しい。てか、なんで戻されたんだろう私

「あの、帰りたいです。夕飯のおかず買わなきゃ」

「よかったら、一緒に食べない？A」

荷物運んでくれたお礼に、久々にご飯一緒に食べようと誘われる私。本来なら、嬉しいお誘いだと思うけど

私が勝手にしたことだし、お礼言われるほどのことじゃない

いや、いいよと断ろうとしたが

「.....」

無言でヤクザのお兄さんがこっちを見てるよ

断るなと言うような目で見てるよ。冷や汗がだらたら止まらない。おまけに抱きしめられてるから暑い

なんて言えばいいの、いいよーって言った方がいいの。でもここで断ったら、お姉ちゃんに申し訳ない

仕方ない、今日だけ...

「う、うん。じゃあ、そうしよう..かな...」

結局、お邪魔することになった。