いや、近寄らないで下さい【A3!】 (ページ30)

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普段、みんなが集まるであろう談話室に行ってみたものの姉の姿はどこにもなかったが代わりに他の人がいた

走って、わざわざここまで来た挙句にちょっと、息切れと頭の中にまだ、あの人が残っていた

あの人が...私のお兄さんになるの...そんなことない..

「Aチャンじゃないッスかｰ!」

「なんだ、お前か。どうしたんだ、そんな息切れで」

その場にいたのは太一くんと左京さんだった
やはり、姉の姿はどこにも見当たらない

いや、その前に私..聞かなきゃ...

まだ、頭の中は混乱してて何から言ったらいいのかがまとまらない

どうした?と心配そうな声が聞こえる。言わなきゃ、ちゃんと..

「......お兄さん」

「...?」

「真澄くんが..私のお兄さんになるって...」

「.....!?」

「お姉ちゃんと結婚するって....あの..
私だけが知らないだけなんでしょうか..
いつ、結婚式挙げる予定なのでしょうか...」

「おい、ちょっと待て」

がしっと左京さんに肩を掴まれた
怖いとは思わなかった。何故なら、それよりも真澄くんの言っていたことが本当なのかを知りたくて仕方がなかった

私の話を聞いて、左京さんは口を開いて言った

「それ、誰が言ってたんだ?」

「真澄くん...私のお兄さんになる予定の真澄くんが...私の兄になる人です...お兄さん...」

「あちゃー...Aチャン、目が死んでるッスよ」

「あいつ、妹に変なことを吹き込んだな...」

「おーい!Aチャン!!」

「七尾、Aを少しの間だけ見てろ」

「了解ッス!」

「ついでに落ち着いたら、結婚なんてしねぇって言っとけ」

「誤解を解けばいいんッスね!!」

「真澄くんがお兄さん...真澄くんがお兄さん...」

「Aチャン、真澄クンはお兄さんなんてならないッスよ!!全部、嘘!!」

「はぁ、監督さんの妹はすぐに信じ込むのか..
碓氷のところに行ってくる」

ひらひらと目の前で手を振る太一くん

はぁと呆れたため息をつきながら、どこかに行く左京さん

太一くんがさっきから、何かを言っているが全く耳に入らない

そのあと、真澄くんが言っていたことは全部、嘘だと聞かされることも知らずに。