いや、近寄らないで下さい【A3!】 (ページ17)

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「もう、ほんと大変だったんだから

体のサイズに全然、ドレスがあってなかったし

ファスナーも全然閉まらなかったし

もしかして、ふとっ....んむ」

「瑠璃川くん、デリカシーってもの知ってますか?」

危ない、危機一髪

急いで口を手で抑えていなかったら、危うく言われる所だった

し、仕方ないじゃん。あんな小さいの入るわけがない。寧ろ、彼が着れるサイズだと思う

ほんと散々だった。痛いし、キツイし、苦しいし

ひたすら、耐えていたが最終的にはピッタリと収まった

苦しくて、声が出ちゃった時はこれぐらい、我慢して!!なんて言われた時はほんと、更にひどいと思った

「なんだ、そいうことか...」

はぁ、と溜息を吐く天馬さん

どうしたんだろう?

「どうせ、そこのポンコツ役者のことだから

盗み聞きでもしてたんでしょ」

「なっ!!べ、別にオレがそんなことする訳ないだろう!!」

「じゃあ、なんで顔赤いわけ?聞いてたんでしょ

変な想像でもしたんでしょ...気持ち悪っ」

「う、うるせ!!」

あぁ、なるほど。聞いてたんだ。更に恥ずかしい

「ねぇねぇ、こっちむいて!」

「はい..?」

「本物のお嫁さんみたい..!」

「あっ、」

しまった、三角さんに抱きしめられてしまった

こうなると彼は気が済むまで離してくれない

さりげなく本物みたいって言われたけど、着てるだけで人間ってそいう風に見えるものなのかな

ちょっと、言われて嬉しいなぁなんてそう思う自分がいる

「見てみて、ゆき!きれい」

「うん、そうだね

オレが作ったドレスだしね

まぁ、似合うんじゃない」

「素直に言えばいいのに...」

「うっさい」

次から次へと

綺麗とか、あまり聞き慣れていないものだから、ほんと恥ずかしい

こんな綺麗な衣装、私が着てもいいのかな。もしかしたら、私じゃなくてお姉ちゃんも似合うんじゃないかって思う。けど、

「オレはアンタの為に作ったの」

瑠璃川くんにそう言われて、更に緊張してドキドキする

「あと、瑠璃川じゃなくて

幸って呼んで」

無理やり、三角さんから引き離されたかと思いきや、いきなり正面に立っては手を握られた

「えっ、と

幸...?」

「ぷっ..なんで、疑問形なわけ?」

くすくすと笑う彼を見て、不意にどきっとなってしまった