僕だけのラプンツェル -Daiki.A-

◆14 ページ15

.








A｢…どうかな？｣






ドアの向かいに立つ大貴と目が合った。
クリっとした目が大きく開かれた







大貴｢ん、まぁ、、うん…｣

A｢え、ごめん…｣






思ったよりも微妙な反応。
好きって言ったから着たんだけど。







A｢…やっぱ着替えてくるよ｣

大貴｢いや！それは、いい…｣

A｢微妙な反応されたんですけど｣






ちょっといたずらっぽく問いかけると、大貴はまたいつかのように耳を染め、口元に手の甲を当てた。







大貴｢大丈夫、…似合ってるから｣






その言葉を待ってたはずなのに、不意打ちにどきんっと心臓が高鳴る。






大貴｢行こうぜ、とりあえず｣

A｢うん、｣







部屋に入るために脱いだキャップを深めにかぶって、大貴は玄関に歩いていった







.
.
.









ここら辺でお出かけといえば、電車で三駅の場所。

水族館もあるビルは、地下が大きなショッピングモールになっててド定番なスポット。







大貴｢割と久しぶりに来たわ、ここ｣

A｢わたしも。最後にきたの高校生だもん｣

大貴｢はぐれんなよ、｣








土日はいわゆる歩行者天国。

こんだけの人どこから湧いてきたのってぐらいの人の波

のまれるのも時間の問題。








A｢あ、…｣








自然の腕は伸びてきて、指を絡め取られた。

今日はちょっとキツめの恋人繋ぎ。









少し上を見上げれば、"確信犯です"とでも言うような大貴の顔。

まだ付き合ってもないのにそれらしい事をしてしまうのはなんだか気が引けるけど…











きっと多分、慧とあった辛い出来事を早く忘れてほしいと思ってくれてるんだろうな。














.

◆15→←◆13

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す