届かない、言葉。volume2

本当のこと ページ12

「一人ずつ言ってもらわないとわからないんだけど……」









それを聞いてハッとしたらしく全員一斉に口を閉じた。









一番最初に口を開いたのは、黒木くんだった。









「…アーヤ。どこも痛くない？大丈夫？」









「…ん、大丈夫だよ。」









さすがにどこも痛くない訳じゃないけど。









すると皆、




「あーーーーっ！！！ほんっとによかった…………」


って口々に言った。









よかった？









どうして？









私は、裏切ったんだよ。









「………なんで？」








顔を伏せているからはっきりとはわからないけど、皆が私を見ているだろうなって云うのは見当がついた。









「私は…私は、いないほうがいいんじゃないの？いじめをしてたんだよ？皆にとって、私なんてどうでもいいでしょ？」









「お前、それ、本気で言ってるのか。」









一瞬の間の後、ゆっくりと若武が言った。









「…思ってる。だって、……だって私がKZ抜けてから何も話してないじゃない。」









なにも、本当のこと知らないじゃない。

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