【iris】モノクロなセカイ【赤】

第16話：クリスマス ページ42

〜りうら視点〜



待ちに待ったクリスマス！

なんだけど、A来るの遅いなぁ･･･。


近くの公園の時計を確認すると、時刻は8時55分。

待ち合わせの時間は9時。

あと5分か。もしかして、俺が来るの早かったかな？


そう思いながらAの姿を探していると、公園の方から走ってくるAが見えた。

あれAじゃない･･･？


『あ！A〜！遅い･･･よ。』


どんどん近付いてくるAに、俺は思わず赤面した。

髪が、いつもと違って少し巻かれていた。

え･･･？可愛いんだけど。


「ご、ごめん･･･っ。寝坊したぁ･･･。」


息を切らしてそう言うA。

俺は少し笑ってこう返した。


『ぜ、全然いいよ！ってか走って来たでしょ？ちょっと休憩しよっか！』


俺はそう言い、公園のベンチを指差した。

そうしよっか、何て言いながらフワッと笑うAは、俺の目には天使のように見えた。

俺は少し顔を伏せながらベンチに腰をかけた。


そして数分雑談をして、俺がベンチから立ち上がりAにこう言った。


『よし！じゃあどこ行く？』


Aは暫く悩んだ末、笑顔でこう返した。


「ゲーセン行こっ！」


俺はそう言って笑うAに、少し緊張しながら手を差し出した。

A、繋いでくれるかな･･･？

そして少しすると、俺の手に温かいものが触れた。

あ、繋いでくれた･･･。


俺は手を繋いでくれた喜びと、恥ずかしさを感じながらゲームセンターへと向かった。

周りの視線が痛く感じる、でもAと手を繋げるならそんなのどうだっていい。


ゲームセンターに行く途中、すれ違うのはカップルばかり。

俺達もカップルに見えてるのかな？

そんなことを考えて、一人で頬を赤くしていたのは内緒。


『A、着いたよ〜。』


俺がそう言うと、分かりやすく顔を明るくするA。

なんだか子供みたいで可愛いなぁ･･･。


「凄い･･･。」

『ふふっ。何からやる？』

「UFOキャッチャーやるっ！」


俺がそう聞くと、嬉しそうにUFOキャッチャーと答えるA。

UFOキャッチャーか。昔遥とよく一緒にやったな。

Aが狙ったのは、少し大きめのくまのぬいぐるみ。

取れなくて苦戦しているAに、俺はくまのぬいぐるみをヒョイと掬い上げた。


『はい。どうぞ。』

「わぁ･･･！ありがとっ！」


無邪気にそう言って笑うA。

可愛すぎ。その顔は反則でしょ･･･。

俺は赤くなる顔を隠す為に、顔を伏せた。

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