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第4話:遅刻 ページ30

〜りうら視点〜


朝、いつも通り学校に着くと、鞄を降ろして隣の席を見る。

すると、普段は早く来ている天野さんの姿がなかった。

今日は休みかな。なんて考えながら授業が始まるのを待つ。


暫くして、一限目の授業が始まったが、やはり天野さんが来る気配はない。

今日の放課後、楽しみにしてたのに・・・。

そう思っていると、廊下の方から誰かが走る音が聞こえた。


瞬く間にその音は近付いて来る。

次の瞬間、ドアを開ける音が教室中に響く。

俺が音の方を向くと、そこには綺麗な銀髪の髪をおろした天野さんが立っていた。


「お、遅れてすみません・・・!」


息を切らしながらそう言う天野さん。

先生に丁寧に謝罪をすると、俺の隣の席に向かってきた。


『あ、天野さん。大丈夫?』


俺がそう聞くと、天野さんは少し不思議そうな顔をした。

それから悩む素振りをして、


「二限目までに間に合ったからセーフ!」


と、笑いながらグッドサインを出してきた。

なんだか読めない人だな。

俺はそう思いながら、黒板に目を移す。


一方、天野さんはというと、窓の外の空を眺めている。

風に揺られて靡く髪に少しドキリとした。

ダメダメ!自分の頬を軽く叩き、授業に戻る。


「天野さん。P64の二行目から読んで下さい。」


そう言い先生は天野さんを当てた。

隣では天野さんが教科書を開いて、席を立っていた。


『はい。Emily asked him. 「I want to go to the station, how should I go? 」John answered her question.___________。』

「座って良いですよ。」


天野さんが読み終わると、そう言う先生。

先生がそう言うと天野さんはすぐに席に座った。

そして天野さんは再び窓に目を向けた。

空が好きなのだろうか?


俺は先生の英文の解説を素直に聞いていた。

すると、


「___________。」


隣で天野さんが何かを呟いた感じがした。

気になって天野さんに視線を向けると、彼女の目尻には水滴が溜まっていた。


俺は一瞬、目を見開いたが、天野さんと目が合うと、天野さんはばつが悪そうに目を伏せた。

そんな天野さんを見て、俺は何も聞かないでおこう。そう思った。


「遥__________。」


今度はしっかりと聞こえた。

天野さんは"遥"と呟いたのだ。


俺はその遥と言う名前に聞き覚えがあった。

だって、遥は俺の妹だったから。

第5話:距離→←ちょいと雑談



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凌(元無名) - リピしてて今気づいた、、、ぴよまる、、、らびまる?wwwネーミングセンスまで最高!ほんとに楽しい。 (2023年3月30日 16時) (レス) @page19 id: 9c1c96d73e (このIDを非表示/違反報告)
凌(元無名) - Nearさん神。いるだけで神。ありがとーございます。ほんとに。うん。 (2023年3月30日 15時) (レス) id: 9c1c96d73e (このIDを非表示/違反報告)
葉月アオイ - アスノヨゾラ哨戒班ッッ!!! (2022年10月11日 7時) (レス) @page34 id: a196d7dd44 (このIDを非表示/違反報告)
Near - minntoさん» ふふ。気付かれましたか?物語の中に歌詞をねじ込んでいるんですよ!!ぜひ、何の曲の歌詞が入ってるか当ててみて下さい! (2022年9月8日 22時) (レス) id: d6a0ce7232 (このIDを非表示/違反報告)
minnto - 、、、、あれ?キミコイ?? (2022年9月8日 16時) (レス) @page36 id: 199dcd889a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Near | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Naer/  
作成日時:2022年7月8日 19時

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