【iris】モノクロなセカイ【赤】

第15話：プレゼント ページ17

〜貴方視点〜



りうらとクリスマス一緒に過ごす約束をした私。

只今りうらのクリスマスプレゼント選びに来ています。

数時間悩んでるんだけど、中々決まらない･･･。

そう悩んでいるところに、一つの物が目に飛び込んできた。

それは、"ひよこ"のぬいぐるみだった。


まさしく一目惚れだった。

私はそのひとこのぬいぐるみを手に取り、それを持って笑うりうらの顔を思い浮かべた。

うん。これだ。

そう確信した私は、ひよこを手に、レジへ向かった。

クリスマス用にラッピングもしてもらい、ルンルン気分で帰宅しようとすると、

女子三人に絡まれているりうらを見つけた。


なんかちょっと、モヤッってするな･･･。

でも何でモヤッってするんだろう？

そう考えながらも足を進める。


「あっ！A〜！」


そう言い、私に向かって手を振るりうら。

ヤバい、見つかってしまった･･･。

私がそう思い、固まっていると、りうらの聞いたことのない声が聞こえた。


「聞こえなかった？俺、あの子に用事あるんだけど。邪魔。」


見事な程に女子三人を退治したりうら。

やっぱりあれだけ顔が良かったら日常茶飯事なのかな。

っていうか私りうらにプレゼントがバレたら不味いんだけど･･･！


「A。ごめんね呼び止めちゃって。あの女の子達しつこくてさ〜･･･。」


そう言い軽く謝るりうらに、私は焦りながら答えた。


『うん！全然大丈夫！ってか私用事あるから帰るね！また約束の日に！』


素早くその場を去ろうとする私。

するとりうらは私の手首を掴んだ。


「あ、せ、せっかくだし、一緒に帰ろうよ。」

『分かった･･･。』


ヤバい、どうにかして隠さないと･･･！

私がラッピングされた袋をどこに隠そうか迷っていると、タイミング良くりうらが聞いてきた。


「A、こんなところで何してたの？その袋は？」


一番質問されたくない部分を的確に突いてくるりうら。

私は無難な言い訳で返した。


『あぁ！いとこの妹のクリスマスプレゼントを買いに！ね！』


私がそう言うと、りうらは納得したようで、


「そっか！あ、もう着いちゃったね。じゃあまたね！」


と、笑顔で手を振って道を進んでいった。

上手く誤魔化せたらしい･･･。

良かった〜。


私は暫くりうらの背中を見つめ、家に入った。

クリスマスの約束がもっと楽しみになった。


『ふふっ。早くクリスマスにならないかなぁ〜。』


思わずそう独り言を溢してしまう程。

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