#95 "信じる" ページ48
Okita-side
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へ・・・、と腑抜けた声を漏らすA。多分、その場の雰囲気のせい。あとで冷静になって猛烈に恥ずかしくなる、そうわかっていても伝えずに居られなかった。
今言わなきゃ、一生言いそびれてしまいそうで。
「彼女なんて今まで何人もできた。でも女どもが見んのは所詮外面。中にゃ、すでに彼氏居るくせに俺によってくる女もいたしな」
こちらを見上げる彼女は、同情なのか、心から俺を想ってくれているのかよくわからない、けど。・・・コイツなら、と後者を信じる自分がいる。
コイツは、今までとは違うって、そう思える。
「・・遊びだよ。好きでもねーのに付き合って、それらしいことして、彼女のとっかえひっかえを繰り返してた。だから当然、キスなんて数え切れねぇほどやってきたし、それ以上だってやった」
「え・・・」
驚いたように目を見開く彼女から、信じられない。そんな言葉が読み取れた。
「・・・呆れた?」
「・・・」
何も言わないまま、少し顔を俯かせるAは盛大にため息を付く。・・・さすがにコレは呆れるよな、なんて思って自嘲地味た笑みを浮かべると、開かれた口。
「ほんと、呆れちゃうね」
「・・知ってる」
「馬鹿みたい」
「わかってる」
「でも、薄々わかってたよ」
は?と、顔を上げてみれば、苦笑するあいつ。
「大人のちゅーまでやり慣れてるんだったら、その先のこともやってそうだな〜って。まさか本当にやってるとは思わなかったけど」
「・・・悪ぃ」
「らしくないよ、そんな弱気になっちゃってー」
言って、不安そうな笑みを浮かべると俺の手を握った。何かを願うように強く握られた手。優しく握り返せば、ぽつりと、確かめる言葉。
「好きだよ」
「・・・俺も」
「ほんと?」
「ほんと。嘘じゃねぇから」
「嘘だったら、許さないよ」
「嘘だったら、毎日教室行って真面目に勉強して、全部やり直してやるよ」
そこでやっと上げられた顔。小指と小指を絡ませて、彼女は微笑んだ。
「信じるね」
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御影沙羅(プロフ) - これからも、頑張って下さい!!応援してます! (2015年1月29日 20時) (レス) id: efba3898be (このIDを非表示/違反報告)
栗兎(プロフ) - 御影沙羅さん» 涙してくれたなんて嬉しすぎます・・・・!!・゚・(ノД`)・゚・ ありがとうございます!これからもよろしくお願い致します(*´∀`*) (2015年1月29日 20時) (レス) id: 199452a05e (このIDを非表示/違反報告)
御影沙羅(プロフ) - 何でかわからないけど54話ぐらいから、涙があふれてきてとまらないよぉぉぉ〜!!(涙) (2015年1月27日 22時) (レス) id: efba3898be (このIDを非表示/違反報告)
栗兎(プロフ) - 美咲さん» そそそ、そうですか!?:(;゙゚'ω゚'): そう言って頂けて嬉しいです(*ノωノ) これからもカッコいい沖田くんがかけるよう頑張りますね! (2015年1月23日 20時) (レス) id: cf9d2254e9 (このIDを非表示/違反報告)
美咲(プロフ) - あぁ…本当に素敵だと思います。この小説。ドキドキするしキュンキュンする。 (2015年1月23日 20時) (レス) id: 03b867affd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:栗兎 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Kuri-Rito/
作成日時:2015年1月6日 16時