#82 初めての電話 ページ35
―――いい加減宿題はじめたほうがいいかな、と今日は真面目に机に向かっていた。お母さんは仕事、お父さんも仕事。つまりは家に一人ぼっち。ものすごく集中できる空間。
携帯もなるべく弄らないよう遠くへと置いた。LINEの通知音も聞かないふり。私だってやる時はやるんだからね!と自分を褒めながら着々と終わらせていく。わからない所は置いておいて。
静かな部屋に、時計の音と時々通知音が響く。こういう集中できる空間があるのに、私の集中は簡単に途切れてしまう。
――・・・突然、着信音。これは出ないといけないな、と机から離れて携帯を手にした。・・・・・これも無視できるくらい集中力あったらなー、と思いながらディスプレイを見てみると"オッキー"の文字。
あれ、電話かけてくるの初めてじゃない!?なんて胸を躍らせながら電話に出てみる。
「ももっ、もしもし!」
ちょっと緊張気味で言えば、もしもしー、と気だるげな声。
『お前今なにやってる?』
「・・・え、あー・・課題、だけど。どうかした?」
『や、暇だったから』
・・・暇だったから私に電話かけるとか可愛すぎるよオッキー。私を萌え殺すつもりか。そんなことを思って一人ベットの上で悶えていると、次の言葉。
『んーまぁ、勉強やってんなら切るわ。じゃ』
「えええええええええ、やだ待って切らないで!」
『やるんじゃねーの、課題』
「別に明日でもいいし。オッキー遊びにおいでよ!」
声を弾ませていってみると、は?とバカにするような声。そんな声にも負けることなく私は続ける。
「今誰も居ないから寂しいんだよね」
『ざけんな、誰がテメーの家なんか行くか』
「あ、だったら私がそっち行くね!」
『は?てめふざ―――』
なにか言いかけていたのも気づかないふりで電話を切った。私は小さく笑うと、机の上を軽く片付けて、お気に入りの服に着替えると家を飛び出す。
「いってきまーすっ」
352人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「銀魂」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
御影沙羅(プロフ) - これからも、頑張って下さい!!応援してます! (2015年1月29日 20時) (レス) id: efba3898be (このIDを非表示/違反報告)
栗兎(プロフ) - 御影沙羅さん» 涙してくれたなんて嬉しすぎます・・・・!!・゚・(ノД`)・゚・ ありがとうございます!これからもよろしくお願い致します(*´∀`*) (2015年1月29日 20時) (レス) id: 199452a05e (このIDを非表示/違反報告)
御影沙羅(プロフ) - 何でかわからないけど54話ぐらいから、涙があふれてきてとまらないよぉぉぉ〜!!(涙) (2015年1月27日 22時) (レス) id: efba3898be (このIDを非表示/違反報告)
栗兎(プロフ) - 美咲さん» そそそ、そうですか!?:(;゙゚'ω゚'): そう言って頂けて嬉しいです(*ノωノ) これからもカッコいい沖田くんがかけるよう頑張りますね! (2015年1月23日 20時) (レス) id: cf9d2254e9 (このIDを非表示/違反報告)
美咲(プロフ) - あぁ…本当に素敵だと思います。この小説。ドキドキするしキュンキュンする。 (2015年1月23日 20時) (レス) id: 03b867affd (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:栗兎 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Kuri-Rito/
作成日時:2015年1月6日 16時