#81 二億個の菌 ページ34
「―――・・・・って感じ?」
「・・・は?まだちゅーもしてないアルか?」
話し終えると、まるで汚物を見るような目で言うカグちゃん。いくら何でもそれは酷くないかい。と傷つきながらもあえて何も言わずに。そしてしばらく沈黙が続き、なんとも言えない罪悪感に蝕まれ始めた頃。
「はぁ〜〜〜・・・っ」
盛大にため息をつかれる。
「ちゅーもまだなんてどんだけお子様カップルアルか・・・・」
「酷いね」
「大体サドならもっと手早いかと思ったけど・・・。とっくにもう一線超えてるかと思ったアル」
カグちゃんの中のオッキーの印象ってどんなんよ、と苦笑すれば突然頬をつねられた。なんでちゅーしてないくらいでそんなに酷い扱い受けないといけないの。
「ちゅーなんて唇と唇合わせるだけアルよ?何が怖いアルか」
「だってやったことないし・・・・。それに知ってる?ちゅーすると一秒間に二億個の菌が行き来するんだよ。病気になるかも」
「確かにアイツは汚物だけど、んなこと言ったら世界中の皆病気ネ」
「いやカグちゃんそれより気になる発言が」
汚物はないでしょと心を痛めていれば、今度は両頬を優しく照れ包んで真剣な顔つき。
「いいアルか、A。ちゅーっていうのは・・・・」
・・・え、まさかするの?と頭を真っ白にさせた時、パシャリというシャッター音と、
「晋ちゃーん神楽がレーズンに目覚めたどうしよー。ちょっと今から家来てくれない、俺泣きそう」
部屋前からそんな声。・・・あ、カム君居たんだ。と呟いて、チラリとカグちゃんの方を見てみれば、青筋を立てて勢い良く部屋を飛び出していった。
「目覚めてねェヨ!!殺すぞ馬鹿兄貴!」
「いやだってアレ完全にちゅーしようとしてたじゃん」
―――そんな会話を遠くから眺めて30分。殴り合いまでに発展したので、私は静かにその場を去った。
結局、宿題終わってないんだけど。せめてアドバイスとかくれよ、カグちゃん。・・・なんて考えながら、久々にコンビニにおにぎりを買いに行ったのであった。
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御影沙羅(プロフ) - これからも、頑張って下さい!!応援してます! (2015年1月29日 20時) (レス) id: efba3898be (このIDを非表示/違反報告)
栗兎(プロフ) - 御影沙羅さん» 涙してくれたなんて嬉しすぎます・・・・!!・゚・(ノД`)・゚・ ありがとうございます!これからもよろしくお願い致します(*´∀`*) (2015年1月29日 20時) (レス) id: 199452a05e (このIDを非表示/違反報告)
御影沙羅(プロフ) - 何でかわからないけど54話ぐらいから、涙があふれてきてとまらないよぉぉぉ〜!!(涙) (2015年1月27日 22時) (レス) id: efba3898be (このIDを非表示/違反報告)
栗兎(プロフ) - 美咲さん» そそそ、そうですか!?:(;゙゚'ω゚'): そう言って頂けて嬉しいです(*ノωノ) これからもカッコいい沖田くんがかけるよう頑張りますね! (2015年1月23日 20時) (レス) id: cf9d2254e9 (このIDを非表示/違反報告)
美咲(プロフ) - あぁ…本当に素敵だと思います。この小説。ドキドキするしキュンキュンする。 (2015年1月23日 20時) (レス) id: 03b867affd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:栗兎 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Kuri-Rito/
作成日時:2015年1月6日 16時