好きになっちゃだめ。6

257 ページ31

.







涙で顔はぐしゃぐしゃで
手で顔を覆ってるから北山さんの表情はわかんないけど...





きっと、また泣いてるこいつ...って呆れてるんだろうな。




北山さんに泣くなって前にも言われたのに。
泣いちゃう女はあんまり好んでないの知ってるのに。







...名前を呼ばれてから静まり返ったリビングは、
さっきから泣いてる私の泣き声だけが響いてて。









.









「みっくん。みっくんはちゃんと愛してあげてる？」









喋り始めたのは、華ちゃんだった。









.









「気持ちはすれ違ってたのかもしれないけど、
その間もちゃんと好きだった？」









「.....」











.









・・・・なにも答えない北山さん。





...あーあ、いよいよ本当に別れちゃうのかな









はっきりと言ってほし...

「俺は、」









.









.









「俺はAのこと...」









「.....どっちであれ、その気持ちは二人っきりになって
話した方がいいんじゃね？ねぇ華？」





「うん、その方がいいよみっくん、Aさん」





「北山、そうしろ」









.









3人とも.......私ひとりで別れ話聞かなきゃなの...？









.









.









.









「・・・A、」









.









『…はいっ.....』









.









.









.









「...行くぞ」








.









そう言うと泣いて座り込んでた私を立たせて
腕を掴んで玉森くんのお家を出た。








.

258 北山さんside→←256

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す