好きになっちゃだめ。6

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「…もっと、辛い思いするつもりか……？」









『え……』









「俺なら絶対、Aを幸せにできる。
さすがに帰宅時間はあいつと同じ職だから
遅くなるかもしれない、だけど北山より
幸せにできる自信がある」









『たいぴさん……』









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たいぴさんの手が…震えてる…









そんなに私のこと…？









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「...俺、今最低なことしてるんだ。
だけど今日を逃したら、
もう二度と二人っきりにはなれない」






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「こんなに誰かに夢中になったの初めてなんだ...」









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「...嫌なら拒否って」









そう言って私に頬に触れて、
近づいてくるたいぴさんに私は ・・・ーーーー









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「っ・・───」









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『.......ごめんなさいっ...』









『だけど違う...いつものたいぴさんじゃない...』









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近づいてくるたいぴさんの胸を、
私は軽く押し返した。









嫌ならって、嫌とかじゃない








ただ付き合ってる男性と上手くいってないだけで
他の男性にフラフラしかけてる(もうしてる)私なんかに、
そんなに夢中になったの初めてだなんてだめだよ...









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『...こんな私にそんな言葉言っちゃだめです.....。
私がたいぴさんに頼っちゃったのが原因です。
だけどもっと自分を大切にしてください...。
こんな都合のいい女に夢中にならないで.....っ』









「A.....」









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...少ししてからまた、
ごめんねというようにいつものように頭を撫でてくれた。









「...家族よりも一緒にいるメンバーの大切な彼女を、
奪おうとしてた最低な男なんだよ、俺。
だから俺もっ...

『たいぴさんはアイドルです...！！！
みんなの王子さまなんです...！』









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「私もアイドルのたいぴさんがすきです...」









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「A...」









『...だから...だからファンとして、
これからもたいぴさんを応援させてください』









『...それじゃだめですか.....？』









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.....合ってるよね、北山さん。







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