好きになっちゃだめ。３

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『お、お久しぶりですっ…！』








「はは、
Aにとっての久しぶりは早いんだね」








『え？』







「一昨日電話したじゃん」









あっ…そうだった…！









『すみませんっ…忘れてました』







「そうだと思った」






ははって笑ってくれるたいぴさん






なんか落ち着くなぁ。









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「個人ソロのリハ終わってから楽屋入ったらさ、
にかが電話してて、いつもは気にしないんだけど
話してるの聞こえちゃって、声でAなんだってわかった」








だから代わってもらっちゃった、って…





ちょっとだけキュンとした者、約一名ここにいます。









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「あ、にかから聞いたよ。ライブ来るんでしょ？」








『え？あ、はい！いや、えっと、まぁ…あの…』







「どっちよ、笑」





『観に行くこと、
北山さんには絶対に言わないでくださいねっ…！』






「それも聞いた。けどなんで？」







『多分私、ライブ始まったら周りの子と同じくらい
はしゃいじゃいそうな気がしちゃって、
おそらく引かれるかなと…』







「別に大丈夫だよ。
それにライブってはしゃぐもんじゃないの？
周りのファンの子たちだって、俺たち観にきてくれてるんだし
俺たちもそれ前提でライブやってるからね」







『…そう…ですよね…』









…確かにそう。



ライブははしゃぐものだよね。




たいぴさんみたいな人は、
はしゃいでくれる彼女の方がいいのかな。





もし北山さんもそうなんだとしたら、
こんな悩まなくてもいいのにね









.









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「Aってほんと北山好きだね」







.







『え…？』









「いつでもどこでも北山のこと考えてんでしょ？
すごいよな」








『引きました…？』






「ううん、きっとそれがAなんでしょ？
Aらしくていいと思うよ」









たいぴさん…





もう優しいよね、優しすぎるよね、





テレビにでてるたいぴさんも、
今こうやって電話でお話ししてるたいぴさんも、




ほんとに優しい。









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「ライブ楽しみにしてて。絶対楽しませてみせるから」






『はい！』






「北山もいいけど、他のやつも見てやって笑」






『ふふ、もちろんです』






「じゃあ。」









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…きっと私が来ても、迷惑じゃないよね…？




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